遠い陽光の中に消し忘れられた落書

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寒い夜に


当時「これから路線は伸びていきます」と言わんばかりに建設中の匂いを残したまま、その地下鉄の地上駅は誰に吹くとも知らぬ寒風にさらされながら、静かに翌朝の日の出を待ち続けていた。その時、何故、そんな駅のホームにいたのかも、その後、どうしたのかも記憶になく、ただ終電すら終わっていたのではないだろうかと、自分でも何か不思議に思いながらも記憶の前後が途切れている。 [寒い夜に]の続きを読む
  1. 2009/03/26(木) 12:23:20|
  2. my imitative nude
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いってきます

久しぶりに記事を書こうと想ったら時間が来てしまいました。
変な心配をおかけしないために念の為、私は元気です。
  1. 2009/03/14(土) 10:59:17|
  2. 一筆啓上
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だから、哀しいと言って

その時以来、しずしずと雪は降り積もり千年
貴方は氷と化した中に、あの時の微笑を湛えたまま、美しいままで
さらに万年を越えて唯一人、厚くなるだけの氷の中で
美しい乳輪と乳首、ふくよかな乳房から艶っぽいうなじを小傾げ
若さ故にすらりと伸びた足、弾力を湛えた臀部
何人もの、何十人もの、何千人もの男性が言い寄った貴方はそのままで
その時から一人、一人と去っていき、誰もが近寄れない地上に一人
貴方は積もる雪を裸身にまとい続け、ついには輝く髪も覆われ
その伝説の上に私は立つことは出来るのだけれど
私の周囲にも誰もいない今、何千メートルの下にいるのか、貴方と二人
支える伝説さえ飲んだくれに聞いただけの話ではあるが
私はここに来た
心清らかならば、その心音を聞くべし
飲んだくれは急に真顔で言って大笑いしたが、私の聞きたいのは
今も降り続いているのです、雪は
深々と降り続けながら氷と化し続けているのです
私は、その中に立っています
一人ぽっちで立っています
だから聞きたいのです、貴方の一言だけを
私の、いや、きっと全ての人が言えないままの一言を
皆が虚仮笑い、酒を飲み、淫事に耽り、止め処なく涙を流し続けるから
ある人は考えることで、考え続けることで次の間が開けると言った
ある人は動くことで、動き続けることで次の間が開けると言った
ある人は、ある人は、ある人は
誰もが降り積もる雪の厚さに敵うことなど出来はしないと本当は想っている
全て氷の中に閉じ込められるか、雪を避けて
そう、小さな小屋を作り、たまには酒場に行き
こうして来るまでにすら伏せたまま凍る何人の人を見掛けただろう
彼らとて貴方の場所に来ようと想ったわけではありません
ただ、雪中を歩かずにはおられなかっただけです
私とて貴方の場所にいるのかすら分かりはしません
ただただ、頭上には雪が降り積もり、そろそろ膝まで雪が積もりしているだけで
辛くはないのです
楽しくないこともないのです
愛している人がいないことも、憎んでいる人がいないこともないのです
ただただ、雪原の、それ以外、何もない雪原のここに辿り立ち
意識がはっきりとし過ぎているので

テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/07/18(金) 01:18:51|
  2. 一億光年の氷光
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そして君は問う

だからと言って意味がないと言ってしまった良いものかどうか
高い煙突から湧き出る薄い煙が微風にたなびいては消えていく
雨にうたれた日には煙は見えるか、見えないか
遠くに見える気がするだけで煙などないのかもしれない
晴れて青空が広がった日には白線を
末端のない、その白線を追って、ただ追って
君と私とは常に、その白線によって繋がれ絶たれ
だからと言って存在など意味がないと言ってしまって良いものかどうか
  1. 2008/07/13(日) 23:57:59|
  2. 蒼天の落し物
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彼我

以前にも触れたことような記憶があるが、二度の千日回峰行(二度の回峰行を為したのは比叡山千年の歴史中三名のみ)を遂げた酒井雄哉大阿闍梨のインタビュー記事で、行中瀕死状態での異常感覚について触れられている。
香灰の落ちる音、数km離れたところで作られている味噌汁の匂いをはっきりと感じたのだそうだ。
実際(科学的)に、そういう「知覚」が確認されたわけではないが、自我が崩壊する寸前では、通常、我々が想像することも出来ない何かが生じることだけは確かなようだ。 [彼我]の続きを読む
  1. 2008/06/28(土) 11:41:11|
  2. 消去一葉
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無意味への

>観る人、読む人に幸福感を与えるものは、残念ながら作品ではない、あるいは、失敗した作品だと思います。これを証明するのはむずかしいですが、たぶんそうだろうと思っています。

Mさんの「地下鉄にて」と題された記事コメント中の言葉である。
フと私の先生の言葉を思い出した。 [無意味への]の続きを読む
  1. 2008/06/27(金) 01:03:58|
  2. 雑時事想書
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小道

雪景色に沈む山頂を胸に抱いて菜の花畑を見下ろしながら、君の息遣いを背に感じながら歩こう
微かに残雪が縁取る小川にはキラキラと陽が反射し、魚影も見えるに違いない
あの寒さは今は遠くに行ってしまった、と麦藁帽子を少し上げた野良の人が大きな声で言う
大きなミミズが掘り出され、慌てて隠れ家を探して地を這うが、小鳥がサッとついばみ去って行く
霞む地平線は明るく、遠くの海は乱反射する光に満ち、時折は船の警笛が聞えてくるが、ことのほか静かで
全てが静かで、君の息遣いを遮られることなく聞くことが出来る
そんな小道を二人、飽かずに何処までも

テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/02/22(金) 22:37:23|
  2. 蒼天の落し物
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昨日、書いた改行記号

それ以外は、その前も後もどうでも良いのだというように、君は改行記号だけを見つめている。実際、私の手はペンを持ったまま宙を漂うだけで後といえば別の原稿用紙でも持ってこようかというばかり。それまでに書いたものも全て忘れてしまった。
「改行は罪そのものなのよね憎悪、それとも罰なのかしら?」と君はこの上なく美しく意地の悪い微笑を浮かべながら改行をなぞり、私は唯、その横顔を見つめるだけで窓外の庇からここ数週間の寒さが運んだ雪が融けて落ち、夫婦のメジロが梢を急ぎ渡って行く。
「君のいうことはいつもサッパリ分かりやしない」と呟くと「私も」と同じトーンで呟き、私の掌に掌を合わせて消え、そして私は溜息をつく。私達の関係は、そういうものだった。
近所の公園に行くと私は砂場に近いベンチに座り、残された遊具の汚れ具合を確かめ安堵し、全てに安心した気持ちになり、そして家を想い浮かべては不安に駆られ、また歩き出す。
朝焼けの中、風に吹かれた新聞紙が舞う中を新聞配達の少年とすれ違いながら佇み、酔っ払いの吐瀉の匂いの中に改行記号を残して少しだけ歩く。やがては学生や勤め人で溢れる駅前の商店街を、ゆっくりと歩く。
時折、シャッターの音がカラカラと響き渡り、そして又、全てが朝焼けの中に溶けながら今日を想い出すけれど、私は昨日のことや明日のことばかり考えているから歩くしかない。そうこうしているうちに、きっと私はあの公園に再び戻るしかなく、やはりボンヤリと砂場に近いベンチに座り、残された遊具の汚れ具合を確かめる。
空に向けて七十度の角度で刺さったプラスチック製のおもちゃのシャベル、その柄のひんやりした感触を手に受け、さらに砂場に押し込みながらカサカサと舞う枯葉を身にまとい、きっと何かが間違っているに違いないと想うのだけれど、それが私自身だと気付いてからはその柄に触れることもなく「改行は罪そのものなのよね憎悪、それとも罰なのかしら?」と泣きながら私は呟き続ける。

テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/02/15(金) 22:57:18|
  2. 天の震え、地の涙
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懐疑、乖離・・・とは無関係に、その先に

名前だけは知っていたデュシャンのことをTVで少し見かた。
なんでも「泉」を巡って云々で、芸術というもに対して懐疑的だった、とか、既成文脈にない在り方の提示とか・・・今では普通と言えば普通の在り方の一つになってしまっている感があるのが又、なんとも奇妙というか。少し調べたらデュシャンは一時期、芸術活動から離れてチェスに没頭していたとか。チェスといえば、先日亡くなった、かのフィッシャーも1970年初頭位から表舞台から姿を消したまま天才として逝ってしまった。人間、血迷うとチェスに向かうのだろうか(違)? [懐疑、乖離・・・とは無関係に、その先に]の続きを読む
  1. 2008/02/15(金) 22:04:49|
  2. 消去一葉
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僕達の立つ場所と解題

差異について少考していると、ふと・・・



#見渡せば見渡す限りの砂丘と、見渡せば見渡す限りの空との間に僕達は立つ



などというフレーズが浮かんできた。
そして、ここで「砂丘」というのは「各論(差異)」の、「空」は「総論(統合)」の象徴だな、と想いつく。
そこで、この一節にて続くもの全てを放棄することとなった。
「放棄」という形でしか、今の私は対峙出来なかった。
つまり私は、世界を放棄したのである。

テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/02/06(水) 23:36:22|
  2. 消去一葉
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想一葉、兼訪問帳

だから眠ろう、もう少ししたら
明日の計画を書き込んだノートを手に
今日見た、聞いた、触れた
そんな全てが、いつだって重過ぎるから
持ち切れない全てを眠ろう

by 「無意味という意味」 ちょ:まっく

一言お報せ

1.リンクは勝手に頂戴、削除してます。
  ので、リンクはお気分次第にて(^^;
  リンクがご迷惑な場合は、ご一報下さい。

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拙語に託さざらむ恥想ひ、在りて候…

Author:まっく
想:遠い陽光の中に消し忘れられた落書


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