忘れたままに忘れてゆく忘却

冷たくしても変わらない愛を抱きしめるように、その頸を探した。
閉じられたままの瞼だけが知っている、その頸を指先は探しあてられない。

(絶望だなんて陳腐なことばは、もう捨てよう、
 確か、そうなんども誓ったはずだが…)

愛したひとの歩いた夕暮れを踏むように目ざめを忘れたまま、
雨のように降りやんでしまう一日を過ごす。
それが、休日とよばれる一日だった。

一歩だなんて大げさな、そう想う。
足指が探るのは手に掬うこともできない砂のようななにか。
そのなにかを探るだけ、それはかなしい。

遠くからだけ愛していると告げていた、
背中をこちらに、あちらに向けて告げていたあのひとを想いだす。

わたしを痺れさせては消える麻薬のように、あなたを探す、
かなしいんだ、かなしいんだ、
ただ、かなしいんだ、それが良い。

そうだ、わたしは怒りに燃え尽きていた。
2017-05-27 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

覚えられてしまった約束を覚えているか

語ることには飽いたままでいることができない、
そのかなしさがつき動かす風のようだね、まるで。

まず、季節から語りはじめるように太陽を遠ざけてからはじめよう、
それがわたしたちのルールのひとつとなるだろうから。

さぁ、あぁ、あ、あぁ、、、
それでいい、それで良い、

歩き始めるのだ、いつも歩き始めるのだ、

私たちは、ただ、歩き始めているだけなのだ。
2017-05-26 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

許すことを許さず、許さないことを許す

「そうだ地獄にゆこう、いや、むしろ地獄になろう」
そのアイデアは、ぼくをとても愉快にした、幸福にさえしたのだ
その地獄にはだれもいれることを許さない
どんな罪びとだろうと、その地獄に堕ちることなんてあり得ない
そして、すべての地獄は、ぼくの地獄に従属する
そう、すべての地獄は、ぼくの地獄に逆らうことはできない
ぼくは地獄を独占する、灼熱地獄も酷寒地獄も
ゼロで始まりゼロで終わるだけで、ぼくは地獄に堕ちた
ぼくは地獄になった
2017-05-23 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

石に、なる

その公園には人口の池があって、それがプールであっても良いのだが、だれもが喜ぶような水しぶきがあがっているとする。それだけで、もう、なんともいけない。
ああ、このプール(池でも良いが)は、今は確かに喜びに満ちているかもしれないが、この一瞬後には虐殺の血に溢れるやもしれぬのだ。
そんな幻想が、幻想のまま終わることを許せない人間が存在するのだ。
そしてそんな人間を見抜くことなどできないし、仮に見抜けたとしてもなにもできやしないのだ。
その無力感をなんと名付けようか、無力に立ち尽くすまえで凌辱されるすべてを、どう愛すれば良いのか…

人が人であることの恐ろしさよ、驚きよ、哀しさよ。
あぁ、もう石になりたい…

そう願うだけで私たちは石になった。
2017-04-11 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

、。

消えるよりも簡単に現れる、そういう真実を教えてくれる、やはり風。
「そういう点において、雨には真実がない」そうつぶやいてくれるかい、。
(つまり、ここで、呼びかけを持たないことが大切だ)

想いだすなら、季節のなかでだけだ、。
風のなかにならば季節はあるが、季節のなかには風などないのだから。
それも、ある種の「定め」というものだろう、。

わたしが星のことを想いだせずに悩んでいることをしったとき、
きみの喜びをスクリーンに見ていてわたしたちは婚姻の儀式を執りおこなったのだった。
もうひとり、ここに招くならだれがいいだろうか、そうささやきながら、
それは、むしろさえずりに似ていてやかましい。

さて、そのやかましさを覚えているかい、。
最初にいったとおりだったろう?
消えるよりも簡単に現れる、そういう真実、。
2017-04-10 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

正しい季節

どれほどのかなしみを背負おうというのか、詩人よ
あなたの瞳は、もう涙にぬれることはないが
あなたの沈黙は、もう慟哭にあふれることはないが、詩人よ
どれほどのかなしみを背負おうというのか

季節のように移りかわってゆく正しさのなかで
あわただしく裁かれてゆくわたしたちのかなしみを
あるいは、そのひとのように背負おうというのか、詩人よ

では、あらためて聞こうではないか詩人よ
どれだけのかなしみを背負わせようとするのか
どれほどの苦しみを背負わせようとするのか
いまだ不足して不足して、苦しみの車輪を回しつづけるゾンビたち
あのひとのように、その列からはずれることには背をむけて

知っているだろうか、
わたしたちは正しさを存在させるために季節をつくる
ただ、それだけのために季節を移りかわらせ
すべてを塗りかえて新しいすべてをむかえようとするのだ
どれほどの苦しみも、わたしの生きている証拠を提示しない、と

生きていることは正しいことか
正しいことは生きていることか
詩人よ、あなたの間違いは正しさをしめすだろうか
詩人よ、あなたの墓標は命をしめすだろうか
わたしたちはただ、肩を並べ
川面を眺めているわけにはいかないのだろうか
2017-04-09 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

ある定義としての

その歩みを呼びながら陽の光(いつも私は、それを陽と呼びたくなる)が踊る湖面を、川面を想いだそうとしていただろう。

その歩みを叫びながら、と書きかえたい衝動を苦笑いする距離を探して腰を下ろすと、けっしてそれは丸い石ではない、突きささるような岩肌。それでも良いのだ、座りさえすれば想いだす君の笑顔を海の波に重ねてみる。遠い雨を海が抱こうとしているのを虹が押しとどめる…なんて、無粋なことなんだ。

取りもどそうとされていた廃駅を、ついに取りこわすという回報が滞ったまま、焼け崩れていた。いつでも連絡は、途絶えるまでの命しか持ちえないのだ(そこが報告との違いである)。
歩く音だって聞かせるように君は近づこうとしてきたが、だれにも届かない足音を自らの体のなかだけに響かせて、その残酷さに凍った笑顔を覚えてしまったんだね。つまり、きみは連絡板の最期を知った、そういうことだと想う(楽になりたい、それは悪いことじゃない、しかしたいして良いことでもないと想う)。

ゆるやかな階段とスロープが並んでいる、競っているのだ、どちらが使われるか、とか。それは、いつでも、どこでも生じていることだった。ただ、それに気づいてはならなかった(無駄なことに気づくのは悪くはないんだよ、本当は)。きみと私との間にも同じように無数の階段、無数のスロープが並んでいる。それをきみは哀しいと言いたがる無言で包んで包んで、包みつづけてきたが。

拒むことを知らないのだ、あるいは拒絶を。

叩きつけられ続けられることしか知らない拒絶は持ち主を問わない。
「ノン…」
開発のために立ち枯れた古木が大地に向けて発しただろう、無駄だった、有益なものなんて、なにひとつなかった、そう知ることができた、生きたまま切り裂かれる根から流れる血を黙って受けいれようとする、やはり大地。

空と海との関係について、もう一度、語ろうと想う。
語らねばならない、誰かが、つまり無数の私が、無数のきみが。
けっして埋めえない距離についてなら、私は君と一緒にいられる、君は私と一緒にいられる。
それだけが「定義」だった。
2017-04-06 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

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Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

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