時代、まるで変化しないものごと、そして定義

通り雨のように過ぎてしまった時代を遠くに追いかける
そんなロマンスを生きながら農夫は山に抱かれる
だれも知らない、ひとりの農夫、夫人は無口で典型的な田舎育ち…

そんな風景を見たのはいつ頃だったろうか、
もう永遠にも似た古さを、いや、隔たりを感じる
永遠の決別というのは、永遠に似た隔たりというのは、
実は<まったくの隣>である
<ただ触れられない隣>のことである

そして触れられるすべては私、私の兄弟である
お互いに血を、命を交換しながら生きながらえてきた、
そして生きながらえてゆく兄弟たちである
時代とは、まるで変化しないものごとの定義である
2017-06-13 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

入れ子の時間です

川をわたるようには流れない
それを見ていて時間を想いだす
きみとの流れない時間
じつは私たちは凍った時間の中に置かれた点の集合体だ
そんな話をふたりで熱心にしたのを
想い出す、その前に想い出にした
そうだった、わたしは想い出にしたのだった
想い出すために、なんのために想い出す?
忘れないのは、なんのため?
空に傷はついているか?
空の傷は見えるか?
わたしたちと空は、なにが違うのか?
川をわたるようにはけっして流れない
再び、そう言って時間を忘れる
きみとの愛を想い出し忘れる、
あまりに甘美な時間、遠い時間
忘却のなかに忘却された時間

(#)
2017-06-12 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

北のない空

北のない空を
北をめざす渡り鳥たちが飛んでゆく
「わたしにも北はないが
 きみには、あるのだろうか」
そう言いながら、
「そこを北のほうに向かって歩いて行ってください」
と行き先を告げる
行き先なのか、それは
あるいは経路、あるいは行きどまり、終焉、始まり…
どれほどの哀しみを抱いても抱ききれない
それほどの重さを命は持っている
命の重さは、哀しみの重さと等価である
2017-06-11 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

声、言葉、叫び

声なき声という言葉を目にした記憶がある。
言葉なき言葉、というのも見たかもしれない。
声なき叫び、これも見ただろう。
言いたいことはわからないでもない、
しかし、それでも伝わらない、
いや、表現できない。
ことばは無力なのか、
なにを求めてことばは出来たのか?
2017-06-10 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

距離と雲

遠のいてゆく雲に命は届かない
郵便配達員は何度も何度も繰り返しベルを鳴らす
だれもいない家のベルを
さびしい川、かなしい川、愉快な川…
いくつもの川を横切って季節は季節へと変わる
ただし風は風のままだった
ひとりだけが座ると椅子になる自転車を想いだす
踊り場にたたずむ紫煙のように
あまりにも遠くを知らない夕焼け空のように
今日も都会を都会が飲みこんでゆく
だれひとり、見たことのない都会を
明日、来る予定のだれかを、
明日、だれが知っているのだろうか
雲が消えて遠くは、なくなった
2017-06-09 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

無色の雲

いつの頃だったのだろうか、
青い空と並行して流れる川の畔
小さな舟に似せた板のうえ、
捧げられるなにもなく捧げられる
無数の命を救いあげることのない、
一片の雲が川面に冷たく浮かぶ
越えられたことのない川の畔、
向こう岸だけでこちらの岸を持たず
向こう岸だけにすべてを残し
川の畔にはだれもいない
川面の雲には色がない
2017-06-08 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

残酷な自転車

理由を忘れて…
そう書き始めたくなったら終わりだとわかった
だので、理由を忘れて枯れてしまった冬を想いだす
叫びに呼ばれる時代さえあったのだが
もう覚えているわけもなく、
それは想い出されるようなところに微妙に位置したか
赤子を乗せた電車は停車駅を忘れたし
わたしたちは皆、遠い山並みが近づかないことを
その車窓が遮る雨のように知っていた
土竜を想いだそうとして土筆を披露してしまう
そんな辞書を片手に輪舞は終わる
自転車、ということばを
ここまで使わなかったこと、
それが、ここに書いたことのすべてだと言える
2017-06-07 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

もうひとつの空と出会いて

静けさよりも怒りを与えよ、
古老のような怒りを与えよ
遠く雷雲が光り泣くように怒りを与えよ
誕生とともに知った、
その純粋な怒りを手に地に満ちよ
それが神の願いであるのならば
しかし、静けさを求めよ
怒りよりも静けさを求めよ
静けさのなかに潜む裏切りの愛を
怒りのなかに潜む正義の愛へと変えないでくれ
わたしの空には神がいない、
わたしの空には、愛がいない
2017-06-06 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

曇天は空を下り

いくつもの叫び声がこだまする、
反射する先を求めて彷徨っている街のあちこちは街角である
ストレート、緩いカーブ、のぼる坂、くだる坂…
それらすべてが街角である
砂浜に似た街角である
公園で幼児の遊ぶ砂場に似た街角である
遠くから近くへと呼ぶ声、叫ぶ声、
それらがこだまする、反射する先を求めて彷徨っている、
街角は街のあちこちに立ちつくしている
まるで次の季節が訪れてくれない季節のように
季節は次の季節をしることはない
街角も次の街角をしらなければ良いのに
ー曲がる街角は残酷だねぇ
そう呟くように曇天は空を下り
叫び声、呼ぶ声、すべての声を飲みこむ街角になった
2017-06-05 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

それで、それでは、と語り継がれよ

涙を流す季節だけに流れる川で
浅い眠りが流れてゆくのを見守っている
どんなかなしみが待ちうけていようとも
そして最後は、かなしみしか残れない街で
語ったことばかりを語り続けるように出遭ったきみと出遭う

もう一度、いうべきだろうか?

涙を流す季節だけに流れる川で
浅い眠りが流れてゆくのを見守っている
どんなかなしみが待ちうけていようとも
そして最後は、かなしみしか残れない街では
語ったことばかりを語り続けるように出遭ったきみと出遭う
2017-06-04 00:00 : Zero Areas Ⅱ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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