大切な日

普段、自由気儘に好き勝手させて頂いてる父親(?)としては娘の誕生日くらいは望み通りに、と普通に想う。
もう一週間も前だろうか?私としては、どうにも気が進まないその店を娘は指定した。
入る前から予感は、ほぼ的中。いつ壊れたのか分からない駐車場のゲート、コンセントも入れられていないまま放置されたままの立て看板・・・

それでも不機嫌な顔は・・・と想いながらも店内に入っても、まばらな客に増して店員が見つからない。
(来ちゃったよ、まったく)
いかに笑顔で猫撫で声を出しても考えてることは想像がつく。
案内するでもなく、空席の間を我々を無視して通り過ぎながらカウンター奥へ。
勝手に空いてるところに座って下さい、ということか。

お決まりのように大声で呼んで初めてオーダー。
フリーのドリンク・バーに行けば空きグラスのないケースがドン・・・
籠の中のスプーンは磨きが甘くて汚れっぱなし、頼んだビールは一向に来る気配はなく、適当に洗浄後のスプーンを撫でながらウェイトレスらしき女性と談笑に夢中の男性、そちらの方が大事とばかりに客から見え難い角度にいる女性、話から外れて所在無くあらぬ方を向いているもう一人のウェイトレス。
挙げ続ければキリがない。

外食中の店内で不機嫌な顔をすることは、まずない。
女房が顔をしかめるようなケースでも、曲がりなりにも外食産業で鍛えてきた自分としては店の状況からやむをえないと判断すれば、すぐに諦める。
だから、私の不機嫌に一番に気付いたのは女房だった。
それでも我慢に我慢を重ねた。

よ~やくに頼んだハンバーグが来た時だ。
温い鉄板に形ばかりに乗せたもの、どうせ冷凍モノを焼くだけの調理。
それが焦げるなど、あり得ないわけだが、あった。
さすがに焦げ側を底にして。
キレた。www

私が食事にケチを付けることなども、まずない。
幼少時、「おいしくない」と一言すれば、食事抜きが当たり前。
美味い不味いは二の次に胃袋に収める。
それが習慣になって、余程のゲテモノ以外なら美味い不味いを別にして無表情に食う。
必要なら「美味い」の一言も添えて。

・・・が、我慢の限界を超えた。
女房はそれを察知、子供を急かし、私も大方の子供の満足も得られたところで先に天外に出て煙草を吸っていた。

帰路、「あの店は、今後、絶対に行かない」という私に、当の娘が同意した。
あの店は遠からず潰れるだろうこと、潰れないとしても、それは儲かってなくても潰れない仕組みであること、そういう商売は身を危うくすること・・・などを子供にも分かるように丁寧に教えた。
こういう時、自分が商売をしていることは便利だ。
少し寂しい誕生日だったが、一つ、学ぶことが出来て良かった、とも言える。

洋菓子が本業の、そのレストラン。
今、その洋菓子で大問題を引き起こしている。

雪印事件の時の記憶が蘇る。
お歴々は自分の保身、行く末しか考えてはいないだろうが、その見えない先で、自分達の生活を掛け、必死に夫君の会社信頼復活のために家々を回っていた御夫人達が見えていただろうか?
いや、少し前なら彼女達も、そのレストランの従業員と大差なかったのかもしれない。
それは分からない。

うがって見ればタイムリーに過ぎるのだが、私の人生は吹く風次第のせいか、かような現象には度々遭遇する。
それにしても・・・・・。

なんとも言いようがない。

本当は、今日はデスノートについて書こうと想っていたのだが、それは後日。

「どうせ分からない」
そんな無理無体が通じ続けている企業もあるが、それが永遠だと想われては困るし永遠であっては欲しくない。
本年の厄落としにはなったのかな(苦笑)?
2007-01-12 00:11 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

川原で泣き、歩き疲れ

泣き続ける君と繋いだままの手で
陽光の差す、陰の映る、この川原の先を目指そう
大きな石と小さな石と中位の石とを踏みしめて
聞えない君の泣き声を想い出しながら
足裏の痛みが消える日を望みはしない

一葉の手紙を一緒に読む光さえあれば
君と過ごしたはずの夏の陽は強過ぎ
冬にはかじかむ手で文字がかすれ
春ならば、秋ならば、読むことが出来るのだろうか

遠い小波が岩に吸い込まれ
静かに引く海を追い掛ける風を面に受けて
それでも振り返ることなく想う
長い影を海底に沈めた船の曳く過去の冒険を
異国の女性を渡り歩く船長を

日焼けしたあご髭を撫で
遠い海を見遣る目に
そのガッシリとした体躯であれば
この川原の先に辿り着けるのだろうか
この泣き声を背負いながら歩けるのだろうか

近付くものと遠ざかるものと
全てが音で分かる
空気の震えで分かる
今の僕は何も聞えない
誰も、何も聞えない
川原の先に待つ人を、僕は知らない
2007-01-08 13:24 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

正反対の同一物の"間"

= 常に受けている影響というものを排除し切ったら、私は多分、透き通った宇宙よりも薄い存在になれるのではないか、と想う。

新年になってMさんが"詩作品"を五作も上梓された。
「塔へ」「その寒気ゆえに」「ねむる日付」「水曜日は君を数える」「下弦の月の、結露する日」

まだ続いて上梓されることを楽しみにしながら、このように連日、詩が掲載されることは今までにないことだ。
とはいえ旧作が掲載されていても私には分からないが、ある種の確信めいたものから新作だと想う。
旧作が掲載されたものだとしても、それは、ここにおいては新作でしかないので大した意味もない。

永く、Mさんは「正反対の同一物」の中を彷徨っている気がしていた。
あまりに多くの色を混ぜ過ぎた漆黒の中、あるいは無数の光色の混濁の中の透明な白。
いずれにしても、誰もが「正反対の同一物」に苛立ちを持ちながら、しかし「大人」になってしまうのではないだろうか。

= 黒だとか白だとか、そんなことを考える世界に嫌気が差しても、そんな世界を作ったのは鏡の中にいる私なのだと考えると、汚辱に満ちた涙に涙する涙もない。

いずれにしても、一連の五作は"今までのMさんの詩"ではなかった。
そう、これらは"一連"の作品で、散りばめられた言葉、漂う雰囲気こそ、まさしくMさんのそれと想えるのに、それは恋文であり、手紙であり、投げかけられた会話であり。

= 忘れた、書くことを忘れてしまった恋文は、実は書くべき相手を失ってしまった、忘れてしまった
  だから書けないと想い込んでしまった
  「読みたい」とせがむ君のために書こうと想った恋文を
  今では想い出すことが出来ない
  そんな僕を君は許してくれるだろうか

< 詩というものは所詮、レトリックなのです >
大意、そのようなことをMさんに聞いたことがある。だとすると、この五作は詩ではないのかも知れないし、詩をレトリックとした自分への反言そのものであるのかも知れない。
< 良い詩があっても、読みがダメです >
この一言で、コメントも感想も書けなくなった私はマズイ。読みを提示することの意味を知ることも感じることも出来なくなってしまう。詩を読むということは作者の意図に沿った感想を書くことではない。詩を読むという詩作的作業に迫れるかという面もある、と気取ってみたい。だけど書けない(苦笑)。
< いつも一緒にいると、その人の言葉が分かるようになるのです >
第三者自分には何を言っているのか、意味しているのか分からない一言一言が分からないからというだけで全てを終えてしまうのなら、言葉を使う作業は道具を使う作業と変わりない。

確かに全ては正反対で、同一物だ。
ただ一色の同一物である全ては禍々しく私達を惹きつける。
しかし私達は少し注意深く感じ取る必要があるのかもしれない。
同一物の間に私がいるし、君もいるし、彼も彼女も、あれもこれもが存在しているということに。

= 暗いのではないのです
  一筋の流れ星の光のためだということなのです
  だから恐れることなど何もなくて
  一筋の流れ星になって、どこまでもいきませう
  そうでなくては哀し過ぎます

全ての色、光が混じり交わって先に、正反対のものが同一物であるかの新しい答えが、世界が見えてくるのかもしれない。
見るものだけが世界を創るのだと、私には想える。
2007-01-08 12:55 : 消去一葉 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

中心点

遠さを知るにはどうしたら良いのかと想いつつ
近さを知るにはどうしたら良いのかと想いつつ
一歩の歩みを前に、後ろに

椅子に座ってジッとしていると、いくつもの妄想が過ぎる
誰も、何もない世界と、その逆とか
窓外の景色は穏やかに変わり続けるのに変わらぬまま座り続ける私と

触れることが出来るものには触れることもない
触れることが出来ないものだから触れようとする
常にすれ違うことだけが確かにする行為の中にいる私

乾いたままのXを抱えたまま提示されたYを眺め

公園の脇に積まれたままの壊れたブランコが私だ
新調され、子供の嬌声に包まれたブランコが世界だ
その二つだけがあればいいのだろう

必要としない切迫感はきっと、その二つの間に滑り込んでくるのだろう
その隙間を感じるとき、私は何故か涙する
その涙で隙間が埋まれば良いのに、と想いながら涙する
涙で埋まる隙間などありはしないのに
そう、何度も知ったのに涙する
ただ、それだけだという想いを抱きながら涙する

私が胸に抱いているのは掌からすら零れる涙なのだと想う
2007-01-03 16:12 : 落陽 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

沈黙と沈黙の間

夕映えした睫毛と頬とうなじと
色変える乳房に延ばした手は冷たいままで
君の視線と私の視線と
誰かの吐息の残るシーツと
ぬるい溜息に曇るガラスにぼやけていく二人

昨日の夜が、想い出せない

何も変えることのない涙を流し続け
半分だけ水で満たされたまま放置されたコップ
きっと、この部屋には何もない
何もない部屋で私は呟いてるし君は聞いていない
それで、いい

ガラス向こうが見えなくなるにつれ私も消える
いなかったはずの私が消える
君と私だけが残されて私は消える
多分、だから君は溜息をつき
そう想うから、僕はここにいるのだろう

いつものように、いつまでも薄いままの足音を追いかけ
私の周囲から全てが、一つ一つ、ゆっくりと見えなくなる
だから僕は何も言わない
もう、何も言わない
言い忘れた、ただ一言を想い出せるまで
2007-01-01 15:49 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

不在という存在と存在という不在と、私と何かと謹賀新年とついで

神仏というものは不在であるが故に存在するものであり、存在した途端に不在となるものである。
これは、どこかで聞いたことがあるような理屈だが、自己と似たようなものであり、
過去や未来や、結局、あるもの全てがそうであるようなものなのである。

・・・てなことを旧年深夜~年頭にあたって考えてた。
理由は簡単である。
こんなのを久し振りに見てしまったからだ。

かかる類をケシカラヌとされる方には大変に恐縮なのだが、
こんなものが簡単に見られる時代になったんだな~、
と感心して見てしまう私めで御座いまして。
こういう単細胞的思考にのみ浸ってはいけませぬな・・・
ということで気付かぬうちに夜が過ぎるように、
気付かぬうちに陽が沈むようにコノ場はやり過ごし。

そう、きっと誰のせいでもない。
そして出来得れば全てが。

いや全てが誰のせいでも何のせいでもあり得ない。
それが哀しみの正体なのかもしれないと想う。
それでも年は変わり、新年になって、歳を重ね。

ところで「アヤヤ」は大して好きでもないどころか興味もなかったが、
ナルホド、なんでも見聞・体験するのは良いことだ。
この歌をこよなく好む私が「歌うな」と思わずに聞くことは珍しい。
PVの背景は、多分、渡良瀬橋の現物である。
実際は貧弱と言ってよいこの橋から見る夕陽は、しかし確かに美しい。
山々もまた。



それはともかく詩的な在り方の一つに不在と存在を一に示すことがあるとしたら、
人が何の役にも立つとは想えない詩的存在に惹かれ続ける理由も分かる気がする。
いや、少なくとも私については分かる気がする。
読んでも読まなくても。書いても書かなくても。○でも×でも・・・etc.
一に示すということがなんなのかについてはサッパリ分からないが。

何を書きたかったかというと、
目出度くもなかろうと言われようとなんだろうと、
やはり元旦は謹賀新年だろうと想い、
今年も佳き年を、そして日々をお過ごし下さい、と。
何よりも私にとって、さらに目出度い年であって欲しい、と。

そして年賀状を31日に書くバカがおるか、という反省と、
今日からの数日間に亘る忸怩たる想いに先立つ反省というか言い訳というか。



そう言えばテレサ・テンについて書こうと想ってたのを忘れてた。
私が、何故か幼少から強く惹かれていたこの女性について、
浅田次郎は「アイドルについて(from 勇気凛々ルリの色」で、
「彼女の魅力は、悪いやつでなければわかるまい。」と書いている。

彼の定義によれば「ろくでなし」と「ひとでなし」は異なり、
彼自身は「ろくでなし」だが「ひとでなし」ではないという。
とすると、私も「ろくでなし」ではあるということになってしまうのか?
とも想うが心当たりがないとはとても言えないので言わない。
神仏はおろか義理人情もへったくれもないもんだ、
という人生観を抱かざるを得ない時期というのは過ごすこともあるだろう。
それはともかく、続けて彼女はまた、そういう輩にとって
「決して口に出せぬ『良心』そのものだった。」とも。

「だからお願い、そばに置いてね・・・」
遠く離れているからこそ、こんなにも近くにいる。
いつも近くにいるからこそ、こんなにも離れている。
そんな歌詞は、よく耳にする。

つまり、そういうことなのか。
2007-01-01 13:26 : 消去一葉 : コメント : 4 : トラックバック : 0 :
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拝啓




Author mak From "空白"

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星々の冷却(書肆侃侃房)
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【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

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