手の記憶、そして透ける手を通り抜ける

眩しい程の星の光に満ち溢れた宇宙(そら)に両の手を差し入れ、そっと光の粒を掌に
光の粒に溢れた掌の先に輝く指先は青白く、そして赤く、黄色く
粒と粒は激しくぶつかり合い、音も無く無限小に還り、少しづつ掌を暗くしていく

幾度も幾度も、そうして両の手を差し入れる度に宇宙は暗く夕暮れを追い、忘れ
零れる涙が壊れるように心と言われるものが割れ、散り、そして何事も無く元に還り
絶えない涙の幾筋かだけが涙を流した証として、やはり残ることなく全てを忘れ
そうして私は両の手を、また差し入れている

時折、大きく鋭利な光の粒が掌を差し、血が滲む
その時に流した涙だけが血と混じり合い、薄い桜の花弁のように宙に舞う
何処ともなく飛び去る、その花弁だけが私の記憶に残るが
その軌跡が変わらないので、私は一つのことしか覚えてはいない

正確には私も、一つのことしか覚えていない
その優しい程の厳密な正確さに従って、誰もが血を流し、涙し
そして各々の一つの軌跡だけを奇跡として割れ散る心に抱え続けている

いつでも記憶は掌にだけ残り、誰も知り得ない
だから大事そうに私は私の掌を見つめているのだ
大切なのは記憶ではないと小声で嘯きながら掌を見つめているのだ

隣に座っていた、あの人も同じだった
そうして時折、私達はおかしくなって少し顔を上げ
お互いの目と目がすり抜けるままに微笑む
あの人の顔も全ても、私の掌が覚えている

一つ、一つ、そして、また一つ
私達は激しくぶつかり合い、音も無く無限小に還り、少しづつ掌を暗くしていく
眩しい程の星の光に満ち溢れた宇宙に両の手を差し入れ、そっと光の粒を掌にした記憶とともに
2011-11-18 23:57 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

ブログは文学を生むか?(初出:2006年03月03日)

ブログは、もはや標準的な自己表現の道具になりつつある、と言って過言ではあるまい。
実際、私のような全くに無名のものが、これだけ公の場で簡単に書きたいことを書ける。
それはWebアクセサビリティの向上によって誰しもがサイト作成に手が届くようになったこと以上の衝撃がある。
従来のサイトでは、技術的な巧拙や厄介さが、やはりネックにはなっていた・・・と想うのだ。

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2011-11-16 17:31 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

そして、旧・想からの荷物引取?終了(苦笑)

そんなに大した量では無かったと想うんだけど、旧・想からの引っ越しに何年掛かったのだろう???

Jump The Words !!(2004年11月23日)

新居、準備中(2006年07月18日)
(もし消えていなければ・・・とリンクも張ってみたり 笑)
までの1年半程、お世話になったわけか。

このブログは、分かる限りでは想一葉、兼訪問帳(2006/07/07)が一番、古い日付なので、2011/11/15の今日までだと・・・5年!!
もっとも、多少でもマトモ(?)に書いていた期間で考えれば、旧ブログには及ばないと想うが。

それでも通期で言えば7年になるのか!!

と我ながら驚く。
FC2ブログで長続きしているのは・・・なんと言っても引越の面倒さを味わったからだろうか???
加えてライブドアを含む他の無料ブログ・サービスもそうだが、本当に長期間、新記事も出さないままのブログでも残しておいてくれることは有難い(もっとも、それが有難くないこともあろうが・・・)。

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2011-11-15 13:41 : 消去一葉 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

グライダア(初出:2006年07月18日)

木漏れ陽が風を受けて揺れている
手かざした先の太陽は、柔らかく微笑んでいるかのようだ
期待に胸が、ドンドン膨らんできた

早みゆく足並みに、早くも手の中のグライダアが
グライダアの翼が空気抵抗の中で踊っている
その手応えが あまりにも愉快で
愉快でたまらなくて走り着いた河原

背高い緑が広々となびいている
キラリ、キラリと光放ちながら

さあ、君の出番だ

手放ったグライダアは、それはそれは素晴らしく
素晴らしく素晴らしい滑空を続け、
やがて遥に浮かぶ雲目掛けて滑空し続け始めた

揺れる翼とグライダア・・・

今、君は飛んでいる
消え行くために飛んでいる

翼は飛ぶためにあったのか
翼は消え行くためにあったのか

分からぬままに陽は傾き、土手の風を受けながら
グライダアは翼なのか翼がグライダアなのか
翼のないグライダアは何処に向かうのだろう、と考え続けた

そして気付いた時には夕陽に向かい、
きっと、それはそれは見えぬほど小さいに違いない自分の後姿を想い浮かべながら
何か愉快な気分で空気抵抗の中を進んで行った
2011-11-15 12:41 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

なんにもない(初出:2006年07月17日)

「なんにもない なんにもない まったく なんにもない♪」
やつらの足音のバラード 作詞:園山俊二

叫んだ声(吹き出し)が「物体」になって砕けて落ちる。
言葉がしゃべれない毛むくじゃらのドテチン。
食卓に並ぶのはマンモスの巨大生肉。

「はじめ人間ギャートルズ」というのは、今更ながら変なアニメだった・・・
し、何も分からない年頃のはずなのに、
毎回、飽きず見ていたこのアニメは何故か強烈に記憶に残っている。

<2011.11.15.追記>
やつらの足音のバラード/ちのはじめ
やつらの足音のバラード/ちのはじめ
<追記ここまで>

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2011-11-15 12:40 : 実験中&備忘録 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

言葉 概念 感情 人:リベリオンの限界(初出:2006年07月14日)

昨日、ガン・カタ(型)を謳い文句にする「リベリオン」を見てました。
アクション自体は面白かったですね、やっぱり。
というか、余程のものでなければ、アクションモノは楽しんでしまいますが(笑)。

この「リベリオン」、第三次世界大戦後の世界を舞台に、
「戦争の源」を人間の過剰な感情に基づくものとして作られた「平和な」世界、
その世界への抵抗と解除の物語、と簡単には言えるでしょうか。

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2011-11-15 12:24 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

指輪の中(初出:2006年07月14日)

久し振りに、その駅を過ぎた。
 何年・・・いや何十年になるのかな・・・
そんな想いで、つい視線を走らす自分に苦笑が絶えない。
数分後、よくよく考えてみたら、
「今、目の前を素通りされても分かりゃぁ~しねぇんじゃねぇか?」
と想ったら、余りに滑稽で涙腺が緩んでしまった。
悲しい・・・とかいうのとは違う。
ただただ、涙腺が緩んだだけ。

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2011-11-15 12:22 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

真夏の調べに(初出:2006年07月10日)

当時の私は、我ながら厭きれ返るほど先行きどうなることやらという状態で。
全くに今更ながら、何を考えてたんだろうと想う。
「野垂れ死にしたって、大して後悔もしそうにないや。」
そんな想いが常に心中に渦巻いていた。

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2011-11-15 12:18 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

サラバと笑顔で立ち去りたいから(初出:2006年07月10日)

彼は言葉を拒否した。
コメントさせて頂いた回廊さんのブログの一節。

予め丈さん、貴方が気になさるようなことは一切ないです。
個人的な、あまりに個人的なことなのです。

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2011-11-15 12:16 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

浮遊する死の隣の怪人:美城×まっく(初出:2006年07月09日)

高校時代、私が足繁く通った一つは地元の古本屋であった。
当時、剣道部に所属、激しい稽古をしていた私は大食漢で有名だったが、
昼食を抜いて小銭を貯めては買う一冊、一冊を貪っていた。
成績は、当然ながら芳しいものであるわけはない。

ある秀才の友人には、私の行為(?)は余程に不思議だったらしい。
とにかく一日中、黒板に目を向けることなく、飽かず濫読を繰り返す私に「何を求めているのか?」というような問いを何度も発したことがある。
とにかく私も、何かを知りたかったのは確かだったのだろうが、そんなことが分かっていれば読書などしないのかもしれない。
今となっては、そんな気もする。

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2011-11-15 12:12 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

慟哭の背中(初出:2006年07月07日)

お前の考えてることなど分からいでか
 お前は、俺に よく似てる

ぶっきらぼうな その言葉に一葉の写真が透ける

生まれて間もない私を肩背負(しょ)い笑っている
彼方と一緒の一葉の写真
当時の彼方に、何故にその満面の笑顔・・・

汗と涙に塗れた工場
その只中で百名を超える男達に囲まれ罵声を浴びたと聞きます
それでも彼方は、憤怒に燃えなかった

十八で別れを告げた郷里と父母
それから幾歳、永久(とわ)の別れに皆が見たはずの一筋の涙
それでも彼方は、慟哭に身伏せなかった

いまや彼方は私に背を任せ
その背中の硬き事、硬き事
この背をこそ、私は見、育ったのです

今なら少し、分かる気がします
ただ、ただ大きかった この背中
その奥に仕舞い込んでいた憤怒も慟哭も

時にその、あまりな無表情に母は拗ねた
彼方は耳傾けながらも やはり無言
それは不思議な光景でした

母は言葉せぬ彼方の代理人でもありました
本当は優しい人なのよ
そうして言わずにおれぬ母

しかして母よ
私とて、彼の人の背を見ぬでもない
彼の人の背中の雄弁を、私もまた、学んできたのです

今もまだ、彼方は変わらぬ笑顔を向けている
老いて、かくも硬き背中を向けている
2011-11-15 12:09 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

孤独の北:美城×まっく(初出:2006年07月07日)

「銀河鉄道」を編んだ宮沢賢治を生んだ岩手、いや南部。
私は、高校時代に不思議な感銘と誘惑に駆られて友人と二人、
「遠野物語」を携えて本州北端の地から三陸を下り、遠野を中心に長旅をしたことがある。

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2011-11-15 12:07 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

身体喪失(初出:2006年07月07日)

kairouさんとの遣り取り、その脱線話を通じて日本(知識)人は「知性」を失った、というよりも「身体」を失った、というのが適切な気がした。
人は、いかなる状態にあっても身体を離れては存在し得ない。
(ただし空中に朧に浮遊している存在を除く)
このことは、知的作業と一般に言われるようなものでも全くに同一である。
近代における知の巨人、南方熊楠は、そういう意味でも本来的な知の在り方を直観か知性かによって理解していたという点でも偉大な人だったと想う。

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2011-11-15 12:01 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

極点の炎(初出:2006年07月06日)

極北の天は炎(ほむら)駆け巡るという
まさにそのとき、極南の天にも炎は荒れ狂うという

遥かに浮かぶジオシティ
蒼き星の極点に炎が灯る
その星を、炎が喰らう

極中の蒼茫は恐怖に慄き
極点から目を背けるも
囂々たる炎は、いや増しに高く舞う

北天が呼ぶのか、南天が呼ぶのか

その美しさに心奪われ燃え尽きる蒼茫の民がいる
極点の空を目指し、炎の中に心投じる民がいる

あるいは北、あるいは南
極点は極点を呼び合い仲介者なく溶け合おうと炎する
仲介者あっての極点なのか、極点あっての仲介者なのか

ジオシティを眺めている足元を暗黒の炎が喰らい初める
紫の凍傷に腫上がり、感覚を奪われた足を炎が喰らう

バランスを失って見遣った天に
炎が舞い狂うのをハッキリと見て
全てが舞い狂う炎の中に包まれるのを感じ

やがて炎は喰らい飽き去り
次なる獲物の身中に巣食う
静かに、静かに炎は巣食う
2011-11-15 11:55 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

銀河鉄道の夜(初出:2006年07月04日)

今まで、こうしてツラツラ書きながら、何故に考えもしなかったのか?とも想ったのですが、私の読書人生(?)は至って変わったものだったなぁ、と再考。
機会を与えてくださったのは、そう、丈二さん

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2011-11-15 11:54 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

タライ(初出:2006年07月03日)

今日は流れに任せて、少し書き過ぎのきらいが。
また冬眠に入ってしまわないか?と不安に想いつつも、
しかし、この記事は書かなくてはならないか、と今少し。

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2011-11-15 11:48 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

紫煙の向こう側(初出:2006年07月03日)

自販機の前に立ち眺めると珍しいパッケージが目に入った。
キャメル色のソフトケースには、斜文字で「Captain Black」と刻まれている。
併せて「SWEETS」という装飾文字。

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2011-11-15 11:45 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

ライオン・キング(初出:2006年07月03日)

現役を退いて数年の父は、母のキツイ言葉にも柳に風と成り行くことも多くなり。
それでは済まぬのか「・・・ねぇ?」と息子に振られても困る。
「夫婦のことは子供でも分かりません。
 故に私目の意見は控えさせて頂きます。」
と早々に退散するばかりである。

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2011-11-15 11:43 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

丘の上では目を閉じて(初出:2006年07月02日)

強く握り過ぎたから 私の指先は少し痺れて
だのに彼方は振り返りもせず息を切らせ
丘に行こう、素敵な丘に!

それは素晴らしい丘でしたが
彼方は遠くを見つめたまま
いつもの歌を望まれた

恥ずかしくて俯いて歌い出したというのに
彼方は目を閉じて満足気
そんな顔をされたらと、歌にも力が入ってしまいます

一歌終えても閉じたまま
野良に荒れた手、日焼けした頬
厚い胸を草叢に押し倒して

ああ、彼方と二人の青い丘
迎え入れれば硬く逞しい
天地を返され見つめた彼方も私を見つめ

二人して、また目を閉じる
荒い吐息は永久に続かないのが残念です

彼方の頭越しに見える空の青いこと
貴女の頭越しに見える草の青いこと
それでも、やはり目を閉じて

唇を合わせて永久の中
時は止めどもなく流れ
丘の上では目を閉じて



----- コメント -----
1. Posted by 美城丈二 2006年07月02日 21:59
また、まっくさん、書き始めましたね。見るたびに更新中、嬉しき限りです。僕はまっくさんの風さんに負けず劣らずのファンを自認致しております。ですから、どうでしょう?、ちょいとちかじか宜しければ、何かコラボ、致しましょうかね。たとえば、コラム連作とか。まっくさんがお題を出す。その続きを僕が書く。逆もまたいいな。「まっく×美城」題して「彷徨いまっく」とか、なんとか。と、いいますのもこういうことを、20代の頃、よくあの風さんとやっていて、それはもう、勉強になりました。僕の書く文章が風さんの文章に似通っているのはその為です。盗んで盗んで、そうして僕なりの文章をと苦心惨憺、いまだまだ、真に確立し得ない。僕はまっくさんの文章も盗みたいのです。誠に僭越ながら、毎回毎回、感銘致しております。丈

2. Posted by まっく 2006年07月03日 10:50
美城さま、こんにちは。
まっこと過分も過ぎたる御言葉、有り難きこと。
何分、読書からはスッカリ遠ざかっておるは、気の向くままに駄文を書き散らすだけだわと扱い難い愚昧者で御座いまして。
それでも近こう寄れ、と仰られれば、有態のままでは御座いますが添わせて頂きます。
2011-11-15 11:41 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

交わらぬ女体と男体(初出:2006年07月02日)

「男は女の道具だ」なる題にて書いた有名な小説家がいた。
そういう見方も出来る。
し、センセーショナルでもあり、
題を見、斜め読みしたのみながら巧く書いたものだとは想ったが、
あまりに実感に遠く、苦笑いするしかなかった。

続きを読む

2011-11-15 11:39 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :

愛しています、今でも(初出:2006年07月01日)

連なり たゆたう 木陰
光 滑らかにして煌めき

時同じくして 好むままに綾織り
好むままにして 流れ同じくし

岩を撫で 魚(うお)を愛で
冷たく仲間を増やし 穢れた仲間を加え

時に仲間を蒼天に召し上げられ
時に仲間を地深く引き込まれ

何処へ 何処へ 何処へ・・・

皆で問い合い続けているのに
こんなに永く問い合い続けているのに

誰も答えを知らない
誰も答えを見つけられない

今日もまた 木陰は揺れている
今日もまた 光は煌めいている
2011-11-15 11:34 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
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【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

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