冬、止まったままの時計

四六時中、手放せぬほどの煙草は赤い雪の降る中を、どこまでも遠く
紫煙だけが漂う部屋中に吹き込む寒気となって訪れる
酒の話題しか口にしない男達に混じり忙しく立ち回る女将は
溜息を窓のくもりに変えながら忘れたはずの背中を想う
雪の音だけが支配する道を消しながら現れる道は軋み
遠い波頭は砕けることを許されないまま訪れを知らぬ春を待つ
荒れた指に滲む血を酒に交え、あの、鉄の臭いを想い始めると
誰ともなく口を閉ざし、女将の席も空きはする
有線から流れる演歌は賑やかで、申し訳なさげに飾られたツリーを揺らし
入口に近い席からは調子外れの鼻唄が響いてくる
汽笛の遠鳴りは雪が吸い込んだまま手放さない
遅い時間まで一つランプに集ったまま微睡んで
見ることも叶わぬ違う春に、しばしの時を預けている
2013-11-13 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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