旅路を棄てる

夕陽の、涙の壊れる速さを追いかけ
待つ人もいなくなった旅の終わりが
ようやく旅立ちの駅舎となる

ただ崩れるままに地に触れる雨や雪や、雷などや
それらを象徴としている私達の影
始まりを知らない旅路と終わりを知らない旅路と
暮れる空に重ねられる陳腐さを嗤いながらも
それでも見上げずにいられぬとは

星の輪郭をなぞった指で触れて下さい
そこになら私達は存在することが出来るかもしれない

何を讃えるのか、この響き止まぬ鐘の音は
海も山も応えることがないままに
私達を弾劾しては幾度も幾度も通り過ぎ
ついに屈して地を食むのだ

腐食してゆく一葉の葉に愚痴を伝え
一つの鐘の音は心安んで去っていった
海面に戻る波の一つに同化して
一つの鐘の音は自ら鐘の音を捨てた

浜を歩く男たちは貝を拾っては鐘の音を探し
それを渡す女を探し
一日は、涙の壊れる前に始まる
2013-07-30 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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