切り取った夜には

流したい、その涙が見つからないまま
哀しみは通り過ぎることもなく、訪れることもなく
ただ遠くで、ただ昔のままで、待っているのだろうか
舞う葉に伸ばす手の震えが時を止めたまま
もう戻れない場所と、もう戻れない時間を指し示す

記憶の中でだけ生きている通りに車は通ることなく
二つ影だけを歩ませてみたいのだけれど、そんな記憶はあったのか
風化し続ける風景の中で書き記される詩は何も語らず
道がないままの地図だけが描かれ続けている

未来の雨だけが涙に変わるのかもしれないと想い
続く先のない道を、戻る先のない道を、歩いてはいるが
微かな哀しみに触れた旋律が示す空に星はなく
独り歩む月の速さだけが全てを支配している

見失った風の届けられた先でだけ記憶は受け継がれ
知られないままの時間が過ぎている
波音に揺られた月明かりは灯火に受け継がれ
過ぎることを忘れたまま記憶が置き忘れられる

永遠の、その一瞬だけを切り取られ
差し込まれた刃の鋭さに凍ってしまう世界などいらないのに
そんな世界の川の流れに幾枚もの葉が流れ
遠ざかるばかりの海辺を目指す

流れるのは、いつも意味のないものばかりなのに
見出したい流れは消えてしまったのに
どこにも行くことなど出来ないのに
どこにもいることなど、出来はしないのに
2013-09-22 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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