川端の眠り、逃げ水の記憶

眠れない夜ほど心地良いので眠れる夜は遠ざけてしまいます
逃げ場を失った逃げ水を君は踏むだろうか

水のない、その場所を踏んで跳ねる水の音
足の沈みゆく、ないままの水面
乾いたままの君の微笑に凍ってゆくだろう時の流れ

眠れない夜に歩く路面に逃げ水を探し
見上げれば満月は大きさを増して中空を彷徨い
空を覆う光は遠く、深夜の電車の音は近く
揺れる穂を追い掛ける風のように去る背中は見えず
それでも君は、もう逃げることのない逃げ水を踏むのだろうか

人気のない廊下が校舎を包む時間
私達は独りきりの二人の時間を抱きながら空を仰ぐ
なにも訪れることのない過去を手に
追い掛けるなにものも持たない過去を創りながら

雲の出来るまでの間だけ光る太陽の下
駆ける友人たちの声は一際、明るいものだ
ボールの跳ねる音は、更に明るいものだ
ただ暗いだけの室内には何も見えはしないまま
荒い息だけが響き続けている

汗の滴る音を川音に見たて、ほとばしる喘ぎ声を波音に見たて
過ぎた夏を取り戻すためだけに私達は抱き合うだろう
秋を持たない冬は近過ぎ、台風のニュースを記した新聞が褪せている
いくつかの激しい雨に打たれ
歩いたはずの舗装路は川に変ったまま
流れる先も知らずに幅を広げて街を覆ってゆく
2013-09-26 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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