<ある日>の肖像Ⅱ

その口は、聞くための口ではないな。
その口は、話すための口ではないな。
その口は、食べるための口ではないな。
その口は、吐くための口ではないな。
その口は・・・その穴は、なんなのだ?

遠くからやってくる記憶は要らないものばかりだ
だのに遠過ぎるから離れやしないらしい
歩く影を先んじて歩みを留まらせ、立ち止まらせ、佇まさせ
全てを奪うわけではないが、残った欠片は砂のようで
それでいて指を、手のひらを傷付けては血だらけにする

お前の刻んだ石碑など、とうの昔に風化したのだ
後生大事に抱え込んでいた白骨死体よ
カクカクと音を立てるシャレコウベの顎の音よ
お前たちの時は始まる前に終わっていたな
それとも終わりを知るために始めたのか

生誕したばかりの星の輝きは茫としている
煌めいて、どこまでも届くようなものではないのだ
深い星雲の中に包まれたまま、知られることのないまま
ただ静かな夢の中でだけ生まれ死に、輝こうとするだけか
胎児の格好で星の輝きを擬えれば愛しいものだが

微かに吹く風にすら揺らめく光と影の世界を、どうして歩もう
耳も口もない人波に満ちた街路には佇む心情があるか
空っぽの胸を、それでも開こうともせず、開くことも考え及ばず
それでも夕暮は訪れる
淡い宵闇は、スルスルと静かな音と共に訪れる
私の願い、祈りを叶えて訪れる

朝の光など消してしまえ、絶えてしまえ
希望など、遠い記憶の中でだけ封印されて蠢くが良い
もう、どこにも辿り着くことすら出来ない永遠の遠く
その記憶の中で封印され、眠りに就くが良い
2013-10-05 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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