明るさ(暗さ)の分だけ、季節は訪れた

頬を染め、終わりを求めるだけの愛を告白する少女
終わりを知らずに迷うだけの愛を受け取り損ねる少年
二枚の硝子戸の間で消失してゆくバラード
ないままにだけ求められる楽園の誘い
冬を跨いで天井を仰ぎ続けている扇風機
暦を忘れたまま貼り続けられている日めくり
それら全てを燃やす夕焼けの色を殺戮するための夜闇の中では
いつも荒い息だけが吸い上げられてゆく

車を降りるときに畳み忘れたスカートは、それでもドアをすり抜ける
乗り遅れた電車の発車時刻を消すように指でなぞり女は人波に飲まれる
マフラーは、かけ離れた二人の中間地点で汚れに舞い
静かな歌が風に乗り来るのを待ち続けている
何月になったら夏が来るのだろうかと秋は恐れている
通り過ぎた夏の到来を冬が恐れ、忘れられた春だけが静かに死んでいる

蝉の背に乗り飛ぶ空の色は深さを失ったままで風を離さない
その髪の長さだけ愛してくれるのなら修道女を探そう
ナイフとピアスの間に滴る血の多さだけ飲めるのなら異国の酒を探そう
海のこちら側にある異国を彷徨いながら訪れない異国の酒を探そう
深夜ドラマが終わった後のテレビを見ながら流す涙、それを、あなたの愛として信じよう
子供を抱きながら吐きだす溜め息の深さ、それを、あなたの慈愛として信じよう
信じることを信じようとしない、その瞳の透明さの分だけ薄く淡く
2014-05-19 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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