雲の冷たさが覆う

近く、内部を通り過ぎる雲を遠くに見ている
雨は空に向かって降り注ぎ
遠い宇宙の闇に向かって遠のいてゆく

あれも哀しみの一つなのか
それは、どうしても舞い終わらない蛍の光に似て
終わらない哀しみは、昔に失われたはずだのに

鋭い刃の上を切り裂かれもせずに渡る甲虫は
翌朝には硬化した六つ足を空に向け
あるいは遠ざかる雨に届け、と

蝉の鳴き声が懐かしく想い出され
淡い雨音に恋しただけで愛を忘れることが出来た
土の中での無音の蠢きに似た世界を知る前の愛だ

雨を含んだ冷たい風はどこから訪れるのか
吹き抜ける先はどこなのか
本当に吹かれているのか、この体は

揺れる洗濯物たちの冷たさは私たちの冷たさで
その冷たさを着て私たちは街を行く

走り始める直前の熱だけで蒸気し
青空の去った空を見上げ
永遠に降らない雨を待って
グラウンドに仰向けになる夢だけを見ている
2014-06-08 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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