廊下のない回廊

キスだけで死ぬ美しさの恋をして
長い回廊の壁に寄りかかって座り
生きている時間を数える間に
横顔だけの愛しい人は消え去って行く

残された死の棘を楔として
交わりの時間分の深さまで挿し入れ
こぼれそうになる血を妨げようとしている
明るい陽が届くのを避けるために
つま先の爪が激しく、割れている

恋人が右側の顔を見せるのに倣い
詩人は右側の頬を裂く
剥き出しになる歯と垂れ下がる舌
流血を伴わないことばが羅列する

鼓動を繰り返す幼児の心臓に耳を傾け
もう一方の耳で愛の囁きを求めると
まぶたの裏には闇に似た閃光が広がり
花の香りに似た雨が降り始めた
2014-06-11 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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