岐路

立ち止まると三叉路から訪れて、十字路へ去って行く
二つの選択肢は三つの選択肢を連れてくるのだ(立ち止まると)

夕陽の沈んだ方角を覚えている
日が中天に掛かった方角を覚えている
朝陽が昇った方角を覚えていない
増えるだけ欠けるとは、きっとそういうことだ

愛し合う機会が増えるということは
きっと欠けてゆくものがあるということだ
世界が欠けてゆく、そういうことなのだ
-愛し合うことで世界を崩壊させることが出来る

憎しみは愛を育むことで世界に復讐しようとしているが
愛は憎しみを産み落とすことで世界を復讐しようとしている
そんな簡単な方程式で世界は壊れてゆくと誰もが知っていて
誰もが口を噤んだままでいる

噤んだままの唇で愛を囁き、キスをして
固く結んだままの両腕で抱擁し、愛撫をして
どこか遠くへしまったはずの心さえも持ち出したりする
これがぼくの愛だとでも告げようというのか
一緒に世界を壊して周ろう、と
一緒に憎しみを産み落とそう、と

世界に見つめられると、それだけで憎しみを背負わされたのだ
(その重みを分け合う人とともにいることを望んだだけなのに)

それを愛と呼ぶなと叫んでも
それが愛と呼ばれるものなのかもしれないな、と
もう一度、歩き始めようとした目の前は
霞んだ曲がり角を持った、
ただ一本の道だけが開けているように見えた気がして
もう一度、知らない君に預けた瞳を閉じてみる
岐路の朝陽は昇る方角を失ったままだろうか?
2014-06-18 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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