帆船の夢

夏の光に輝く波を切る、あの帆
彼をはらませるのは孤独ではないのか
孤独の中を行く孤独の力ではないのか

失われた海岸線は水平線に接続されたまま
全ての物語の外延となるが
そこで哀しみは語られたし
そのことを私は知っている

眩しさは報せとして訪れ
世界の、私の喪失の報せとして
微かさの中に消える時間のズレで私は忘れる
世界は忘れる-忘却なのだ、それは

記憶は決して遠くにはなかった
手にされたま見つめることが出来ないだけだ
常に視線の端から端へと逃れ
記憶は近くを遠ざかるものとして逃れつづけた

愛について語ろうとした君は遠く
緑の岬、高くで風に吹かれていたのを知っている
そのとき、君は私であったし
かつての君は私であった

そこで見られた帆船は海岸線を失い
満幅に張った帆の冷たさだけで海を滑り始めたのだ
蒸し暑く鋭い夏の光の下
切れる程に張りきった、その帆の冷たさよ

私は帆に触れて想い出す
帆を、帆船を進ませる力のことを
進むために失わなわれてゆく、それを
やがて力尽き、藻屑として見る夢を
2014-07-03 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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