神の生誕するところでは

私たちに空を与えたものは
なによりも空を飛ぶ意志だった
糸に繋ぎ止められながらもなお
空高くを目指そうとする凧のように
飛ぶことを夢見ない私たちの空は
無言の所有物であり
やがて死人の還る所となった
そして人は初めて空を見始める
何もないように見える虚空
その虚空に横たわる雲
横切る光、渡る星々
自由に行き交う鳥
ああ、この小さな虫は
名も知らぬ、この小さな虫は
あの空に続く空を知っている
そして火に焼かれるのだ
焼かれる虫の臭い
それを空の臭いとして
それでもなお空を見上げ、跳ぶ
私たちは名も知らぬ虫にすら及ばなかった
自ら火に入り、身を焼く虫にすら
飛ぶものと飛ばぬもの
飛べるものと飛べないもの
すでにして飛ぶものと飛ぼうとしないもの
さまざまの飛ぶの狭間で
私たちは地上を見下ろす
山の頂き、ましてや少しの高台からではなく
あの空から地上を見下ろすのだ
私たちは空を見上げたまま
地上を見下ろし始めていた
2014-07-06 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補