草原に汽笛は鳴らず

憂鬱を開く草原に果てはなく
砂の替りに風に揺れない緑が配置され
街の記憶を封印したまま
川の流れを遠くの山脈に追いながら
厚い雲を敷き詰めた空に向けて
遥かな海に向けて閉じられている
駆ける馬々の瞳は暗く光を封じ
閉じることなく地平に向けられ
ただ訪れる過ぎるだけの終わりを
饒舌になり始めた沈黙に語っている
パオの中には火が赤々と
人々の体温を感じて舌をひらつかせ
静かな鼓動の内に星の気配を忍ばせる
刻まれるべき時間もないままに
夕暮は朝焼けと交じり合い
人々は馬の瞳とは違う地平を見る
一筋の煙が立ち上ると
そこここからも数本の煙が立ち上り
最初の一筋は消えていった
草原の憂鬱は一層、重く
その重さ分だけ風は疾く駆け
降り始めを記憶されない雪を運び
全ての草原を白銀に戻し
呼び戻されない遠くまで吹き
草原の替りに息絶えた
2014-07-24 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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