ぼくらの全てを

ぼくらは終わらせるだろう
青色をした暗い空が広がる下で
あるいはそのとき月は
太陽に覆い重なっている
あるいはそのとき食人鬼は
狼男に喉元を食いちぎられている
あるいは山の重なりが海に深いヴェールを与え
海は血に似た潮風を山に与え
互いの哀しみを交換する
ぼくらは終わらせるだろう
あるいはそのとき、誰かは
陳腐なだけの愛の神聖化に気付き
形骸化した街の虚構を知り
砂が風のように吹く荒野を歩くかもしれない
顔を覆った女性たちの視線を見
深い衣服に覆われた肢体を想いうかべながら
己の罪の基準を定めようと
救いの境を定めようとするかもしれない
ぼくらは終わらせるだろう
無限遠の星の囁きが聴こえ始め
そこに住まう別のぼくらに出遭うのだ
そのぼくらは、ぼくらと同じ顔をし
同じものを食べ、飲み、眠り
同じ一日を送っている
ぼくらは絶望するだろう
ありのままに見るぼくら自身に
ぼくらが捨てたぼくら自身に
そしてやはり想い留まるのだろう
もう少しだけの時間だけ、と
そのとき、世界は諦める
ぼくらの全てを
2014-07-25 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補