少年の朝

今日も飽かずに不着の電話は鳴る
それは機械的な正確さで
文字通り機械的なメッセージだ
朝は毎日、同じ朝が繰り返され
人の歴史の内で変わったことはない
歴史に刻まれる朝は
人類が時刻として刻んだだけの
ある瞬間としての朝というだけで
それは本当の朝には関係ないだろう
街を行く人々は、そのことを知っている
皆が歩こうと歩くまいと
朝、駅に向かう雑踏があろうとあるまいと
やはり朝は同じように訪れるし
同じように去ってゆく
そのただなかで佇立する一人は
本当に一人になる
見出す仲間は果てしなく遠方にしかおらず
文通もままならない
彼が出来ることと言えば
ただ違って見えるだけかもしれぬ朝に慄き
驚きながら、その奇蹟を記すだけだ
彼は電話も信じないだろう
その先に見る機械の姿は不変の神であり
人のために人により作られたとしても
彼は畏怖するのである
彼はそして、少年の眼のまま
驚きの朝の去るのを待ち
いつもと同じランドセルを背負い
いつもと同じ顔をする友人たちと戯れ
束の間の不変の中に溶け入ってゆく
2014-07-26 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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