グラスでビールを飲みました、と

グラスの底で時間が死んでいた
流れる会話は意味があり
笑いも交えて進んでいる

ただグラスの底では
そこだけが何も変わらず
進む会話はいよいよ遠ざかり
時間の死が堆積してゆくのだ

私たちは知っていた
その堆積を、堆積を生むものを
ただ、それはどうしようもないのだ
私たちから遊離し孤独に死んでゆく時間を

それでも引き留めようとするならば私達は・・・
それが出来るのなら、沈黙もしただろう
永遠の沈黙さえ守れたかもしれない

それをさせないのは誰のせいでもない
ましてや、下らないおしゃべりや空疎な歓談
ときには愛想笑い、ご機嫌伺い
そんなものですら関係はなかった

ただ気付く一人、そして一人
会話は独り言の連なりにとって代わられ
私たちは孤独を交換し合いだす
死んでゆく時間に献杯すら捧げながら

そういうときなのだ
死んでゆく時間が少しだけ微笑み
満足した末期を迎えたように
もう少しだけ、グラスの中を巡るのは

私たちは無言の献杯を捧げ
死にゆく時間にささやかな栄光を授けた
2014-08-01 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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