際限なき近接

そうしてなぜ、置き去りにしてゆくのか
与えられもしなかった哀しみを
哀しみにすり替えられた違う孤独を
その孤独すらすり替えられたもの・・・
きっと君は、そう言う
始めから、始原からそうであったように

語り尽くされたものを、なおも語り
膝までもない深さの川に腰を沈め
川上に向かいながら、その冷たさと一つになる
温かな血が流れるのを完全には止めないように
(それでは冷たさは死んでしまう)

私たちは互いの孤独を、哀しみを見たのかもしれない
自らのものに出来ないものとしてだけあることも知り
知るべきでなかったと刻む石を探しに
君は川を遡上する数種の魚に混じろうと努めた
あるいは大海へと巣立つ魚種(の群れ)

私はむしろ魚を捨てる
清冽な水流を推進力に変え、汚濁した川を生きる
陽光を美しく反射し、鳥の目を射ぬく
ああ、私は魚を捨てよう
海を知り、川を知り、陸封されてなお水に生きる魚を

しかし置き去りのままなのだ
私たちが、いかに反対に、あるいは同じに
針路を定め出遭わない細心の注意を払おうとも
それは君が言った通りだし
私が「それ以外にあるかい?」と訊いた通りだ

今日も今日でないままの今日が過ぎる
実際、それは全く、その通りなのだ
あるいは変数としての私たち
あるいは定数としての私たち
今日という関数を定めるには
あまりにも私たちは小さ過ぎ
限りなく零に近づこうとすることにすら、小さ過ぎた
2014-08-02 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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