街の影

この暑さでは犬も街を捨ててしまう
触れれば肉の焼ける匂いすらするだろう
あのアスファルトの狂暴さや
なんといっても、この屋根だ
イメージに像を結んだオオカミは
それでも気高さを掲げるというか
それすら蜃気楼のように怪しく
子供らが遊びでカエルを茹でるように
街は少しづつ、茹であがってゆくのだ
かのサラリーマンが怒っているのも
あまりの暑さの熱の余韻
部下は排熱の方法を心得ておかねばならぬ
切り離したはずの自然は、しかし
熱とともに私たちとある
冬の冷たさを知れば私たちは
なんで、いつも春でないのだろうと呟くけれど
山のように、ただ黙ってはいられないけれど
歪んだ愛を熱に与え続け・・・
<こりゃぁ、異常気象だね>
<そうさ、小氷河期だ
 きっと小氷河期の終焉さ
 俺たちが去れば、あの剥製にされた
 ニホンオオカミだって動き出すぜ?>
終わらない発散運動の中で
街は順調に狂ってゆくよ
<元からそんなもんだろ?>
確かにありんこ、ダンゴ虫にワラジムシ
ゴキブリ、ドブネズミにクマネズミ
空はカラス、水には、海には・・・?
生き物たちが私たちを捨ててゆく
その最中で残るもの達を、さらに憎んで
やはり犬は、街を捨ててしまう
街の影、そこにひっそりと潜んで
彼は、その聡さで街を憎むことはしなかった
ただ愛することも出来ず
夜の正気を待ちながら
激しい空腹だけで正気を保ち続け
街の影、そこになら彼も住まうのかもしれない
2014-08-04 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補