死するものの湖畔に

不穏な、湖である
荒海を想わせる波が立ち
しかし、静謐さに満ち
周囲は全て見渡せる大きさでしかなく
だのに、どの岸も見えないのだ
ある詩人を想い出す
湖面に詩碑を沈めた、そのときを
私を訪れることなく息絶え
詩人は擱筆だけで死ねるものらしい
湖面に映る空は、ついに開かず
私たちは吹き抜けて欲しい、と
そう想う風にすら吹かれなかった
湖畔は孤独を拒否していた
哀しさを湖岸から遠ざけようとし
それが私には哀しかったが
風の音を真似して吐く息は
煙草の煙を交えて少し立ち上り
シャボンに似た弾け方で消え
私たちは湖の不穏さだけを見つめていた
安らかさにはほど遠い、湖の不穏さを
2014-08-10 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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