憂うべからず。ヤツが来た。

ヤツのことを書き始めると、留まることないエピソードが飛び出す。
とにかく破天荒に勉強の嫌いなヤツで、中学卒業時ですら九九も危うい(今も危ういが)。
だが、こういう心根の持ち主が今の時代に存在するのか、という意味で驚くべきヤツである。

過日、ヤツに少し頼みごとをした後のこと。
頼みごとと言っても、ある練習の相手をしてくれ、というものだったのだけれど、
突然に逐電かと想うほど連絡が取れなくなった。
御互いの実家は近い。
何かあればお袋さんから一報もあるはずと、そのままにしておいた。

と、つい先だって、連絡がようように来た。
中学時代の部活のOB会だという。
その前に、お前、なんで連絡がつかないんだ、と詰るとヤッコさん。
「いや、あの直後に会社、クビになってさ。
 慣れない仕事で必死だったんだよ、悪い悪い。」

聞けば25年勤めた会社の様相芳しくなく、
会社は開店休業、従業員は解雇、と相成ったらしい。
普通なら一言くらいの愚痴も出ようもの、何も言わない。
言わないのみか、考えてもいないだろう。
この一事は、語りの一欠けらにもならない。

知り合いの社長に拾われて、一応の事なきを得たとは言え、大したヤツである。
ヤッコさん、いつもこの調子でお人好しというかなんというか、恨むということも知らない。
嘆く、悲しむ・・・も怪しい。

といって人の心だけは、よく掌握して痛みも分かる。

二人で一緒の時は、大抵は下らぬ話をしているか、男二人、肩を並べてボ~ッとしているのだが、
コイツがいると、世の憂さも何もかもが馬鹿らしく見えて仕方がない。

「畏友」は、ヤツに教えられた言葉である。



流星 by 丈さん

2006-07-23 17:53 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 1 :
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2006-07-27 : 20:09 : 魂暴風*a soul hurricane
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