空の季節をまたいで

語ることのない秋の空を想い出している
沈黙の限界の向こうで沈黙する、秋
空は訪れただろうか・・・?怪しいものだ
愛することを、誓うことを拒否したまま秋は
去ることもなく過ぎることもなかった

開かれた書物は詩集であってはならない
なにも-なにも書かれていない書物でなくては
風にあおられてページが変わろうとも
不変ではない不変で応える書物でなくては
饒舌過ぎる空白に哀しみは綴られまい

小石が気づかれずに蹴られ跳び
行先すら分からぬままのように約束は
そんなものがあったとすれば、だが約束は
地平をまたがずに茫漠とした闇に消えただろう
記憶される前に忘れられてしまう約束だ
むしろ沈黙の限界の向こう、あるいは
饒舌過ぎる空白だったのだ、約束は

契約された大地が酷く乾燥し、男が伏し
あるいは骨だけは衣服の形を保ち残るとしても
水から遠く隔てられてあり
川のせせらぎを、降る雨の音を
細いだけの指の骨で砂に記しては消され
低きに流れる砂に埋もれ、消され

夜空の星だけは、とも想い見上げれば
そこは語ることのない秋の空である
開かれた書物からは言葉を奪い
二人、人がいれば愛を奪い、哀しみを奪いし
沈黙の限界の向こうで沈黙する、秋の空である
一色に染め来たって去ることのない
約束の空白に忍び込んだ、秋の空である
2014-08-10 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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