雨は、海-

しずかに海面に接するだけで、しかし
鋭く海深くにまで雨は降り
知られることのない者たちを穿つ
近づくことが遠ざかることだと-
必ず夜は、一人にだけ訪れることを
降りもしない雨に打たれること
水平線を失ったままの落陽は
終点からだけ吹く風・・・
それら、せんないだけのよしなしごとたち
語り掛けるべきは、彼らであるべきか
異端の、異形でしかない彼ら
性に合うものでなくても膝を抱え
微かな季節だけが訪れる部屋の中
足早にばかり駆け抜ける夜を憾んで
静かであればあるほどに消えずに響く歌
耳を覆えば聞こえてしまう歌を
流れることを許されない涙の奥に
砂のように崩れることが出来ぬ身の空ろに
ガラス人形のように割れてしまうことすら-
なんという残酷さか
許されていないことが、
許されていることが、
遠過ぎるのだ、どちらも、どちらも
言い間違いに本心が現れるというのなら
その中だけを歩こう
勘違いの、見当違いの中でだけ真実を見
それでも流せぬ涙を、その手に一粒、と-
しずかに雨が、海に触れている
雨音の息絶えた雨が
なんという、優しさであることよ
あまりに、残酷に過ぎる優しさであることよ
2014-08-10 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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