一つ船に乗り


水平線に重ねられる地平線。
それは波打際の後退であり前進でもあり、
そして単なる消失でしかなかったのかもしれない。
奪われる直前にだけ命が与えられるように。
どんなに小さな海にも涯が与えられぬように、
奪われ・・・喪失は続くのだろう。
街の境界は街と街の間にはなく、
地図の上に引かれた線に過ぎないけれど、
そのように、海には涯がない。
では昼と夜との間には、
夕暮線が引かれるだろうか?
時間が刻む地図の上、で-
一本の線が引かれることこそが誕生であり、
一本の線が消失することこそが喪失である。
二人の間に線を引くこと、
それは喪失を極として目指す欲望であり、
死を渇望する愛の姿なのだ。
夕暮線は最も分かりやすい愛の生誕と、死である。
夕暮に対峙するとき、人は全てと対峙している。
あらゆる支配、頂点に君臨させられる<なにもの>か。
(<与え>は支配の手にある)
街を匍匐前進する夕暮の帰宅者たち。
電車に、バスに乗り見つめる落陽は、
彼らを死へと誘う誘惑船でもある。
陸風を孕んで大きく帆を張り、
地平線を重ねられた水平線に誘う一つの船である。
愛の生誕と死が重ねられる、一つの船である。
2014-08-13 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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