境界線としてのことば

ことばのない世界では
愛も憎しみもなかった
喜びも哀しみも同じく、なかった
たとえば悲惨で残酷-
産まれる前に死んでしまう嬰児
労働に苛まされ
あるいは土を食む飢餓に苦しむ子供たち
銃声だけの中に死を迎える青年兵士たち
生首を切り落とされるギャング団・・・
たとえば醜悪で破廉恥-
女の性器だけを執拗にねぶる男たち
その資産の1%でも与えれば
億単位の子供たちを救える資本家たち
人を貶めることにだけ生き甲斐を感じる
歪んだ出世欲を背広に包むビジネスマンたち
自らの欲望のためにだけ
見せかけの粛清を執行する革命家たち
いくらでも挙げていけるというのに-
街角で惨めに身体を横たえ
ことばを喪って視る世界は
それでも美しいだけなのだ
なんと恐ろしいことなのだろう
ただ淡々と美しくあるということ
そこで人は、喪ったことばを探さない
なおも、ことばにすがるのは
愚かにも涙と笑いのうちに狂気した
詩人という廃人だけなのだ
ことばに憑かれた
廃人だけなのである
2014-08-13 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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