幽閉、そして自由の方へ

吐きだす方にさえ気づかう煙を追えば、しかし
飾り窓から見える夜空は月明かりに照り
横道を静かに横切ってゆく月の自由さを知る
愛の不自由さを追えば、しかし
窓は見つからず、照るもの、自由なもの-
全てを喪うと知って尚も愛するというか
幽閉の中で疲弊してゆく<私>の向かう先は
同じく夜の、昏い夜に違いはないはずだのに
シンプルなコードに幽閉されたバロックよ
その自由さは、あまりに虐げられた証なのか
ならば私はジャジーな調べを求めたい-
ああ、それすら幽閉の、不自由さの他ならぬ証であった
戻りゆく道さえ断たれたまま行く末も知らず
それ故の自由など、私は欲していないはずだのに
安いアルコールにしびれた指が保つまで
それでも飽かず、書かずにいられぬとは-
飽かず書くことが、記すことがあるとは
確かに私は、なんとも贅沢な残酷さに身を置いている
しかし、その泡沫を恃むことさえなくして
どう生きられようか?
確かに、かりそめである
確かに、うたかたである
だから問われるのであろう
かりそめでないものとは?と
うたかたでないものは?と
私の前には限りなく、かりそめとうたかたしかない
訪れる人なく開かれた扉
封を切る人なく送られた手紙
受け取られることなく死にゆく恋-
それらの、かりそめとうたかたの中で
私は確かに死したままで存在を維持している
生の輝きを遠望し、届かぬ指先を雲間に見出し
敢えてする軛など、もう要らぬのだ
ただ、閉じられぬ扉を開け
訪れる人の一人さえいれば、それで良いのだ
2014-08-18 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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