ピン・ホール

切り取られ写真に収められた
カメラこそが見ていた
夜をはらんだ昼の壁の影を
哀しみを労わるベンチの脚を
暗い影を照らそうと点滅する
壊れ掛けた街燈を
こよなく抜けるような
青い空を愛した私を
今は少し昏い蒼い空
沈鬱には至らない程度に
降る雨の予感だけを告げる程度に
今は少し昏い蒼い空
ネガ印画紙の反転の直前にだけ
姿を現す世界がある
私たちが封じられたのは
きっと、そんな世界なのだろう
収められる前に封じられるのだ
酒を呑む前には酔っているのだ
波音だけで海は訪れる
まだ遠い峠の向こう側から
高い山の頂きの涯から-
それは雨音です
私たちの上を通り過ぎ
私たちを打ちながら降る雨音です
どんなカメラにさえ収められぬまま
地表に降り立つ光の粒としての-
愛していたのは、抜けるような
どこまでも、ただ青いだけの空でした
2014-08-18 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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