海坂


分かったことは、ただ、どこを見渡そうとも
-それが場所であろうと時間であろうと
 その他のひと、もの、こと、あらゆる-
あるいは見渡さずともだが
<信じる>がないというだけのことだった
ことに信じるに足らないのが<私>であり
<哀しみ>や<孤独>といった
詩に多く用いられる語句、詩形、その他
いや、信じるに足らないのではなく
むしろ十二分に信じるに足るが故に
信じることがない、ということなのだ
それが<微分的接線>としての
私と君に与えられた存在しない共通(項)だった
少し触れれば切れてしまう陽の光に
私は平気で手を伸ばし、触れられないままに手に取る
少し顔を上げたなら視野を奪われてしまう風景に
君は平気で顔を上げ、見ることもないままに視野に収める
-彼女は、どうだったかな?
私は遠く想いを経巡らせながら考える
近さを遠さとして測りたいのだった
(しかも遠さは近さになるとは限らないのだ)
朝焼けに似たまま過ぎることのない夕暮に
それでも人は忙しい
私(たち)は置き去りにされて当然だったし
それをどうと想う心も持たないでいた
ただ好ましく想う女性(仮)を経由して語り
「そういえば彼女はどうだね?」
と問うこともあったかもしれない
彼女は私と君との前で二人分を演じるだろう
私と君が、彼女の前で二人分を演じるように
ああ、海が恋しい
季節のないままに凪ぎ続けている海が-
そこには、きっと坂道があるのだ
<信じる>から、拒絶から最も遠い拒絶を与える坂道が
私(君)の好ましい女性(仮)は、そして
いつも海の彼方からやって来るのだ
2014-08-19 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補