海への沈潜として

海が引き寄せた雲は千切れ千切れだった
拒絶を召喚するためだけに語られる愛
招き寄せられる波の音の影に隠れる当事者たち
海燕は、もはや沖に遠く、還ることを捨てた
捨てた波打際に残す、さやかな鳴き声は
冬の海底、静かに眠る二枚貝に似て
深さを喪って、なおも永遠の深さに沈んでゆく
すべての三角屋根を照らした陽が傾き~
 一日の終わり-昨日も繰り返されたはずの
 一日の終わり-明日も繰り返されるはずの
~一日の終わりをもたらそうとしている
半分も過ぎれば終わりなのだ、もはや
語られる愛は、だから拒絶を得られない
否定される愛だけが拒絶されるのだ
ああ、まだ昼日中のように蒼い空よ
暮れ暮れに逆らう蒼い空よ
遠ざかりだけが生き延びる術として与えられ
永遠を生きるだけの、暮れ暮れに逆らう蒼い空
私はとどまり星を-あからさまな星と出遭うだろう
夕沖の水平線に消えた海燕たち
彼らは気早くも星の元へと飛び去ったか
深さを装ってなお永遠の深さに沈む海
私たちの間には、その海が横たわるのだ
距離は深さによって横切られ
そう、ついに私たちは越えるべからざる海
蒼い空も星の煌めきも、あの海燕さえをも
私たちは越えるべからざる海として
記され、記されるだろうすべてを拒絶し
ただ沈潜する深さの中でだけ出遭うことが出来る
2014-08-19 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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