繰り返すグラス

最後と定めて注いだグラスは、また満ちる
もう一つの最後を求めて語られる愛のように
これきりと想い定めても、二度はないと
そう固く心に決めたとても
その心にさえ、なんの意味があったろうか
いつも最後は唐突にしかやってこない
最後は最期としてしか訪れないのだ
自らの外から、激しい崩落、崩壊の音としてのみ
激しい波が幾度も繰り返し壊れてなお
汀を訪れて止まないように、最後への道は
なんとも困難に満ちたものなのだった
だれもが報われぬ愛だけを生きている
終わりの、最後を奪われた愛の中を
それを嗤う人には、事欠くことがないけれど
私も又、その一人であったかもしれないけれど
目覚めてなお、想い出せる夢が少ないように
ほとんどの最後は迎えるだに忘れられてしまう
河を渡る間は、水流の強さに押され
対岸が果てしなく遠く見えるとしても
実は浅瀬をしか通ることなくて
対岸に上がってみれば振り返る河は小川に変じている
そういうものなのだ
ああ、もうグラスも涸れるだろう
涸れるべきものは他にあるだろうというのに
グラスだけが涸れることを幾度も繰り返している
2014-08-20 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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