真夏の河畔

少年の追いかけていた魚が
飛び込んできた夢の中で
ぼくは光を勘違いして手を伸ばし
光源を太陽に求める純粋さで、君
君というより君の影を抱こうとしている
なんとも柔らかな葉の感触だろうかと
産毛は触れれば折れてゆくほどに柔らかく
その光に似た透明さに、ぼくの手は溶け入り
その手は、ぼくのすべて、全身であったけれど
背を突く魚の口は少し鋭く
知ってはいても振り返ると、もう
君の影も光も消えてしまう
ただ昏くなることを知らない世界が
万華鏡の一かけらだけで風景を示し
ぼくの喪失は、それだけで忘れられる
君のいない世界を夢は夢を継ぎ
誰のものとも知れぬ涙を、ぼくが
流し続けている
涙することの出来ない生き物たち
彼ら、すべてのものかもしれない
ぼく以外のすべての-
決して、ぼくのものではない涙の
その中を魚は泳ぎ出て
知らない少年の網にかかり
真夏の河畔にきらめいていた
2014-08-21 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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