梅雨蝉


あまりにも早過ぎるよ、梅雨の蝉
まだ、ともがらの一匹もいないというのに
一つ鳴いては立ち止まり、して
この梅雨空の下、羽を乾かすことすら
どんなにか大変だったろうか
誰もいない時間を見計らい
ただ一匹、住み慣れた土中を捨て
なおも一匹で鳴くために
広げた羽は美しかっただろう
微かな雨を避けて響く声は
梅雨の夜空に、あまりに哀しい
なにが急いたか、梅雨の蝉を
誰一人、振り向かれない鳴き声を
誰一人、待つもののない鳴き声を
少し遠くに聴いて
待つ人のない夜のともがらは
ここにいるよ、とつぶやいてみる
2014-08-23 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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