三角形-三つの点

バスが過ぎさったバス停に残り
あるいはバスの発車を見送り
次の停車場には行けないまま
想い出せない半分の昨日と
半分しか過ぎないままの今日と
バスのタイヤの軋む音の
静かに角を曲がるのを見送る今
三点を結び星とする夕暮を待ち
ただ三角形は決して描かず
青々と乗り出す森の木々
繁茂する葉たちのざわめき
森中に野ざらしのシャレコウベが
影のなかから、ぼんやり望む空は
相当の昔の空の色だ
ピアノの音階練習が鳴り響き始め
シャレコウベは黙って聴いている
見送れないバスの代わりに空を
聴こえないタイヤの音の代わりにピアノを
カタツムリが、そっとシャレコウベに乗り
カルシュームを啜り始める雨の気配
もう少しで見ずに済む空と
もう少しで聞かずに済むピアノと
カタツムリの立てる微かなシャリ、シャリという音-
それは優しくシャレコウベを削る音
なにもなかった頃に戻る音
もう一台のバスがワイパーを振り
少し高いタイヤ音を軋ませて
遠い曲がり角を抜けていった
三角形は、やはり描かれず
一直線にも並べずに三つの点は
ただ一つの星として夕暮時
どこかの星で輝き始めるだろう
2014-08-24 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補