樹木

重ねた本の数だけ薄くなる昼に
愛に満ちた交尾を重ねる一匹の犬
詩人はゲームのかたわらにだけ
詩集にはならない詩を置いている
円環を重ねようとする小説には、しかし
重ねられる前に重なっている円環があり
反復される円環は決して同じではない
それは閉じられた一つの孤島なのだ
孤島のなかで誰もが犬のように愛され
犬のようにも愛されることがなかったし
名づけられた犬は愛することがなかった
<消えるように浪費される一日があるだけだ>
そう書いた詩人は誰だったか
名前は想い出せなくとも知っている
知らなくても想い出せるように
浪費された一日の重なりが落葉に重なる
それらを食んで砕き
微生物の分解により出来る有機物/無機物
そして更に高く伸びてゆく樹木
私たちの一日は
そうして樹木の高さになってゆく
愛に満ちた交尾を繰り返す犬が止まる
ただ一匹で繰り返す交尾を振り返り
彼の静かな喧騒に満ちた一日は終わる
2014-08-26 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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