尾のない狼

もはや/そして断片としてのみ訪れる夜と夜は
一番いの死として生まれる狼の足音である
どちらも架空である月と月
一方が三日月であるのなら一方は満月でしかない
そういった<月の群れ>のなかからか
もう風の起原だけでしかない雪原は
最期に彼を手向けて白さと透明さとの奥深くへと
(それは闇より闇に近い)
問うことを禁忌にされた起原が伴われ
微かな光が吹くだけで川が結晶となって
狼の渡河を許してゆく川の平行線だけを狼は歩む
(海へと?それは違うだろう)
もしくは森/灌木のなかへと消えてゆく平行線だ
意味ありげに風の吹く足跡から足跡を辿り
しかし、どこでも意味は喪われたまま-
不定形の輪郭を保つのは意志ではなく哀しみである
語られようとする一つの哀しみこそが
-不定形の輪郭を生きること-
彼をして歩ませ、息ませる
降らない雪の何万年分もの記憶のなかで
さやかな月明かりだけで数億年分の記憶が消えてゆく
彼をして歩ませ、息ませる
いくつもの断片化された夜が同時に訪れるように
彼をして歩ませ、息ませる
2014-08-27 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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