帆船の出航

遠近法を正確に反対になぞりながら
なにも知らない君について
ぼくは君の恋人以上に知るだろう
磯の小さな洞穴に潜み消える波|音
断裂された哀しみに消える海|辺
海から始まり海で最期を迎えられない
すべてのことについて
意味しないことばを集めて語る夕暮
ぼくは遠くない海に出る
頼りない陸風が吹き始めると帆船が
哀しく水平線を目指す“かのように”出航する
(しかし水平線を目指してはいないのだ)
ガラスを透過した光のように
微かな濁りを帯びて海面を反射する夕陽
割れて始めて一つになる一つの太陽が
夕暮を急いで傾きを垂直に変える水平線を
帆船を越えて横切ってゆく紙飛行機
「あれは私が折った/追ったのよ」
聞いてはいない振りにだけ呟かれる
やがて訪れる朝を中断して無意味な夜が過ぎ
ぼくは少しの涙を見つめることすら出来ず
ほんの少し、知られていない君を知るだろう
2014-08-28 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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