積雪底

密度ではなく硬度で語られ
昨日は既に記憶の底に沈んでいる
何万年もの積雪底のように硬度が遠さだった
柔らかな陽に当たるのは瞬間だけで
過ぎればガラスのように脆く
(しかしガラスは液体なのだ)
より硬い記憶に刺され
次々と死に絶えてゆく今、今日(という雪)
昨日だけが永遠に降り積もる雪のなかへと
確かに約束されなかった愛のように
深い積雪底は、それでも海を目指す
北海との接点で氷河は再誕し
再び三度、何度でも永遠を私たちに贈る
寄せる波が、その永遠の記憶だし
記憶は忘れられたままで<在る>ものだった
湾岸沿いに駅舎だけが並べられ
しかしレールはとぎれとぎれで-
土地の所有権が横切ったままなのだ
それに似て記憶は繋がらないし、そのように
なににも繋がらない君だけを愛し
君の沈んでゆく積雪を愛した
そして硬化した君に刺され
死にゆく私/永遠の今日
繰り返されることのない夜の終わりを告げて
君は優しさのなかで去り続けているが・・・
割れた花瓶に挿し直された花が咲き
その柔らかさは破片の硬さを愛し
切り裂かれる痛みさえも愛に変えていた
しかし、もう、雪は降らないだろう
どれだけ寒くとも、厚い雲に覆われようとも
硬度の限界を越えて、なおも
流れゆこうとしない積雪底たち
雪原には、もう、雪は必要ないのだ
ただ硬度の限界をゆく記憶だけが残され
静かに私を刺し殺し続けるだけだから
2014-08-30 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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