ある詩人の肖像

数え零れた季節のなかを通り
いくつかの言葉も懐に入れはし
過ぎる風景の様式にも少しは慣れすると
詩人の足跡は彼が持つ言葉ではなく
一つの方法だった
夕暮から訪れる波の喪われた記憶
遠さの涯にある光を灯す哀しみ
強く抱くほどに訪れる孤独
それらも、また対象ですらなく
一つの方法のなかに溶けこんでゆく-
ただ置かれただけの絵画が風景の一つとなり
やがて、そのうちに消えてしまうように
消えてゆくだけのための一つの方法/様式-
冷たさ(温かさも)は、だからことばにではなく
方法/様式において規定された
消えてゆくことに関する諸々は
それらの背後に本体とはかけ離れた影として
あるいは水平線上の蜃気楼としての
複雑な屈折の過程でしかなく
それが詩人を<別の孤独>に追いやるのだ
泣き、叫ばれることもなく過ぎた季節
青さのなかに、記憶の範囲外に
逸れつづけてゆく季節のなかでだけ
詩人は語ろうとし、激しく慟哭していた
2014-08-30 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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