置換

だから<愛し合う>は偶然だけが司っていた
目の前の椅子に知らない誰かが座って、始めて
そこに座っていたのが君だと知ったし
知らない誰かに愛を告げて、始めて
愛していたのが君だと知った
だから、ついに終焉しか始まりにならなかった
書き終えた手紙は既に投函された手紙だったし
受け取った手紙は既に読み終わっていた手紙だった
過ぎた季節のなかで前の季節を想い出したし
明日のなかでは今日を想い出すだろう
(しかし今日のなかで昨日は想い出せない)
そうして波が去ると海が広がったし
雨雲に覆われれば晴天の空だった
想い出すのは過ぎ去った後の人だけだったし
愛するのは、もう遇うことすらない人だった
それは<置換>による<特定/確定>である
哀しんでいるのは哀しみが去った証だったし
孤独なのは人ごみのただ中に<ある>からだった
だから愛していると告げたのは
愛し終わった次の季節のなかでだった
そして<永遠の(円環にも似た)置換>である-
2014-09-01 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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