告白までの距離

信じることを忘れた/失ったまま
空は青さのなかに青く、青く-さらに青く
湖の青のなかには恋人が遠ざかる
木立が揺れる季節だと記憶は告げ
人気のない夜のホームで煙草が消されていた
海と山との間に隙間なく敷かれたレールと
通ることのない列車の騒音に
飽かずクレームを吐き続ける老女がいた
踏切を越えれば忘れた秋が広がっていて
私が愛することが出来るなら
愛しただろう人がいる(あるいは夏?)
語り掛けようとしていたのは
海に行くか?山に行くか?
ではなく、愛している
そう告げるべきかどうかだったが
彼女の耳は閉ざされたままだった
代わりに手紙を書き始め、見上げれば
そこには彼女のいない季節
郵便配達員の物憂げな帽子が風に飛び
少年の足元に転がる時間
封筒を売っている店がないことに気づき
手紙の行き場を考える
いつも枝を渡る小鳥が番いで小さな寝床を用意し
「そこに置くが良いさ」
と呟いたが、星を背景に小鳥が消えると
信じられるのは封筒だけだったと知り
手紙で封を封じて、一人、泣くだけだった
2014-09-01 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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