横顔を通り過ぎる

涸れる涙もない枯れた野から近く
川底だけの川沿いに敷設した道に沿い
途絶える直前の点滅を繰り返す街灯を数えながら
向こうから来るのは、あるいは
昨日の私を愛した人か、昨日だけを愛した人か
(どちらも同じことでしかない)
涙から遠くでだけ哭いているのは
街灯のいまわを嘆いているからだろうか
子犬がまたぐだけで老犬となる街境があり
老犬がまたげば骨のない芥だけが風に遠く
嘆く声は数十年も前に途絶えたまま
記憶のなかの嗚咽だけがあなたに届く今朝
枯れていた花瓶の花が鮮やかな夜
足先だけを洗い流れる小川の畔で
愛する前に断愛したあなたへの手紙を記し
封をしないままに流れてゆくことばたちを愛しんだ
見上げれば、そこだけが闇に沈んだ山並
そこまでの距離を涸れたままの涙で枯野を満たし
波のように三日月の光に揺れ
勘違いだけで愛した人の横顔を通り過ぎる
2014-09-03 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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