季節なき海

季節を失いながら
街が街になってゆく傍らで
海を閉じるように別れながら始まる愛を
手紙に綴り続ける青年が一人
海風に吹かれた手紙を眺めている
恋人は声の届かない磯にいて
障害が多過ぎる水平線をぼやき
青年の時間の流れについてはゆけず
最終電車に乗って一人で帰る
青年が手紙を眺め終ると
空には星が展開し始め
彼が見上げるのを待ちながら
遠い雲に覆われてゆく
荒い波が岸壁に押し寄せ始め
夜なりに控え目の警戒音は聴こえない
翌朝の青年は手紙を手にしたまま
哨戒船のエンジン音に遠く
海流に乗って北を目指している
青年の恋人は温かな毛布のなか
季節のない眠りに就いている-
2014-09-04 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補