君に似た見知らぬ雨

たとえ君が
数多くの見知らぬ一人に過ぎないとして
ぼくは哀しみを知らぬ砂
川の音を遠くに流し
響くままの川に聴く砂の一粒

乗り手のいない自転車に
君は君でない誰かとして乗ったまま
川沿いの季節をどこまでも走り抜け
終わらない季節となって
やはりぼくを想い出すことはない

詩なんて忘れる言葉たちだけが
枯葉のように舞うなかを、君すらおいて
むしろ君の影が駆けるだろう
君の反対方向に向けて
進もうとする影があるとするのなら
それこそが、きっとぼくの影

砂のまま
むしろ砂より小さい砂となり
どこまでも、ぼくを喪ってゆくぼくの影
無音の季節を探しながら
川の音に縛られたままの、ぼくの影

地図を八折りにして縮めた距離が
もはや届かぬ遠さのまま
君が、ぼくが
駆ければ歩けば遠ざかる

高さの欠けた坂に上り
見えない短さで落ちる影を降る雨は
少し君に似た見知らぬ雨で
ぼくは川に引き戻され
砂の一粒として誰かの泣く声を聴いている

そこが川の畔なら
それは遠くを流れる川の音
見知らぬ君を哀しまないで
一粒の砂が聞く川の音
2014-09-07 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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