見えない雪

見えない雪に降られながら
過ごす夏の夜には君がいない
いない君を探すこともない

置き忘れた手紙は燃やすのも面倒で
ゴミに紛れて消去を装わせ
棄てるよりも確実な忘却の訪れを待つ
見つからない記憶として、積もる雪の
微かさに融けるような忘却と

信じた夜は古代の遺跡だったか
蔦の這うなかを、やはり雪に降られ
幾千年前の人が降られた雪として
君から降る雪として-

街にあふれる哀しい出来事は
もう要らない
哀しい出来事は人を呼び寄せるから
(あるいは哀しみが)

哀しみのない遺跡を歩けば
ほがらかな日々の営みに辿り着き
霧散した哀しみの
見えない雪だけが降っている

遠ざかる哀しみは人を遠ざからせ
街を荒れさせして
ただ見えない雪に降られ続ける廃墟として
だれもが知らない眠りにだけ近接してゆき
いない君は探されることがない
2014-09-09 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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