降りもしない雨に向けて傘は開かれる

濡れたとて大したことのない雨に
それでも打たれないように、と傘は
むしろ空しさに向けて開かれる

遠さなんてありもしない
近さなんてのもありやしない
そもそも距離なんて、時間なんて
どこにもありやしない

ただの妄想でしかない哀しみと
哀しみに向けられる優しさの妄想と

心が本当に凍ることが出来るのなら
むしろ、その方がよほどマシじゃないか、と
降りもしない雨に向けて傘は開かれる

もし心のありかを問う愚かな人がいたら
そう答えて欲しい
降りもしない雨に向けて傘が開かれ
冷えもしない身体を温め
そすれば見つかるかもしれないね、と
2014-09-10 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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