夜想

触れるだけで溶けるだろう夜を
それでも抱いてなにを待つというのか?

待ってくれる夜が過ぎ去った後だとして
残された伝言もないままに伝言板は読まれ
佇むホームには明日の汽車は来ない

線路のない駅舎には待つ人の影だけが残り
点滅する灯りは蛍を真似ている
待つ人は旅立つ人だと、蛍を真似ている

草が揺れて風が微かを吹き
溶けてゆく夜だけが過ぎることなく広がってゆく
いくつにも分かれて抱かれた夜が哭き
別れゆく人と人との間に雨として降ろうとしている

追いかける雨は、ついに降らないままで
静かな影たちは佇む旅立ちを迎える
影たちが引き受けたのは伝言のない伝言板か
伝言板のない伝言を抱いた雨は、降ることがない
2014-09-10 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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