水面

もし君を抱きたくなっても
小さなベッドのなかでうずくまる子犬のように
むしろ君に抱き上げられるような
ただ情けないだけの夜には
風もなく、早くも晩秋か、と虫の音が
一匹だけで鳴き続けている
哀しみだけで出来ている愛について
君は詩人のことばを諳んじるかもしれないが
そんなものは、うっちゃって
交わらずに抱くことの哀しさの畔に
二人して立って静かな水面を触らないか?
そっと指先で触れるだけで
星のようにささやかな波をたてる水面を
それほどに弱っている私たちの間を
私は弱っているのか少し悩ましい
むしろ薄い膜のような、この水面
向こうに君を見る水面の怪しさに
沈み得ない水底にまで遠ざかる君の背中
触れるだけで懐かしさに消えてゆくような
私と君の間にある水面には触れることも出来ず
私から背ける君への背中の小ささに
君を抱くことの出来ない子犬を見られるようで
きっと私は、そんな私を恐れている
2014-09-15 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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