海神の瞋り

黒いというより漆黒の間近に迫りくる海面
荒波に渦巻くそれは
荒々しい風はなく塩辛い空気だけは漂わせ
死の影だけで昏く光はない
深海から見上げたなら、そう見えるだろうか
形を崩さずに藻屑に塗れた家々が浮かび
人は皆、蝋のように白く、冷たく
海神の瞋りは静かで音もなく忍び寄る
夜の帳は閉じたまま開かれることなく
それは、むしろ空への復讐に似ている
そっと山に寄り、切り崩し
遠い海底へと引きずり込み
永遠に近い長さで引き離すことなく
海神の瞋りは静かに長く
永遠を永遠とすらせず一瞬に変え
だれということもなく
なにということもなく
ただ静かに燃えるような海面に
海神の瞋りは薄く拡がり
触れるもの皆に及ばせようと
水平線すら波に消して
ただ静かにすべてを消そうとしている
2014-09-16 00:00 : 試詩的終宴 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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